なっこ

贅婿[ぜいせい]~ムコ殿は天才策士~のなっこのレビュー・感想・評価

3.0
/番組紹介/(チャンネル銀河HPより)
江皓辰(ジャン・ハオチェン)を主人公とする連載小説が打ち切りになり、作家は同じ人物を主人公にしたコメディー小説を執筆することに。その内容とは…。
現代から武王朝に転生した江皓辰は、目を覚ますと寧毅(ニン・イー)という別人の姿になっており、借金のカタに布商・蘇(スー)氏の婿養子になることが決まっていた。思わず逃げ出した寧毅だが、そのせいで婚約者の蘇檀児(スー・タンアル)は窮地に。

/みどころ/(チャンネル銀河HPより)
過去にタイムスリップしてしまった主人公・寧毅を演じるのは、若手人気漫才師のグオ・チーリン。中国の超大物漫才師グオ・ダーガンを父に持つ彼は、大ヒットドラマ『慶余年』への出演で注目を集めると、2020年の第8回バンクーバー・アジア映画祭で人気賞、第16回中米映画祭で新人賞を受賞するなど大ブレイクを果たした。
その妻・蘇檀児を演じるのは、演技派女優のソン・イー。彼女もまたグオ・チーリンの姉役として『慶余年』に出演し、姉弟として抜群のコンビネーションを披露。そんな2人が本作では、契約結婚からスタートするも次第にお互いを意識し合うようになる可愛らしい新婚夫婦を演じ、大きな話題となった。その他にも、第1話の冒頭で特別出演したチャン・ルオユンをはじめ、『慶余年』のキャストが同窓会さながらに多数出演。

/感想/
慶余年が好きだった方なら確実に楽しめるはず。シーズン2まで待つ間に見ておくのも良いと思う。
個人的には、主人公のことは弟役の慶余年の時から好きなキャラクターだったけれど、この物語の中では、三枚目キャラで始まったはずが、回が進むごとに垢抜けてカッコ良くなっていって、最終回あたりでは「誰?」って思うほど背中で語れる俳優さんに成長していくのが見てて楽しかった。ほんとびっくり。
シーズン2も予定されているようだけれど、このシーズン1の中でも、途中でガラリと雰囲気が変わる瞬間がある。婿として、妻のお店を軌道に乗せるまでが第1章で、商売が落ちついたからとハネムーンに出かけるのが第2章。この第2章に入るときに、結ばれたはずのふたりは離れ離れになるという暗示があって、実際に旅は楽しいだけのものではなくなっていく。前半は、未来からやってきた贅婿(ぜいぜい)が現代的で論理的な商売の知恵を駆使し、妻を手助けして商売敵に勝つ成功譚となっていて、ここまでは楽しく面白く見られるのだが、後半は旅先へと場所も移り、その都市が賊に襲われたことで趣が全く変わってくる。ここからは、中国時代劇ドラマらしい展開とも言えるかもしれない。割と血が流れるし、身近な者を傷つけた者への報復は容赦が無い。一介の商売人に過ぎなかった主人公が賊の軍師となったり、王朝の密偵使となったり、どんどん事が大きくなっていく。そして、まだこの第2章が完全に終わり切って無いところで、とりあえず第一部完。いやいやこの先が気になるでしょ、ってなる。視聴者をつかんで離さない、うまいなぁ。
慶余年と同じで、最終話では再び最初の語りの場に戻ってくる。さぁ早く、彼にはこの物語の続きを書いてもらわねば。
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