とぽとぽ

HOMELAND/ホームランド シーズン6のとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.8
クイン~!!!!!!
「誰が味方か分からない」敵は内部にいるのか、遂に来た対アダル戦! そして何よりクイン最後の勇姿!! 見ていて辛い、つらすぎる…最後まで報われなさすぎる。ボロボロに弱りきって苦しんだ姿、そしてそれでもなお使命を全うしようとする姿。前シーズンにサリンの毒ガスで受けた脳の損傷と、その時の情報を聞き出すための無茶を強いる治療によるものだが、今まで長年汚れ仕事をしてきた彼を見ていると一種のPTSDモノにも見えてくる。ただTPOもプライバシーもわきまえずズカズカと押し入ってくる糞マスコミとすぐ悪者を決めてつけて自警団ぶる暴徒どもへの仕打ちは見ていて束の間だけでも痛快だった、みんな見習ってあれくらいすべきだな(?)。大統領選に際しての向こうのネガティブキャンペーン甚だしい卑劣極まりない選挙戦を彷彿とさせる失脚工作・政治闘争。本作内ではブレット・オキーフに象徴される誠意なきクソテレビマンくたばれマジ胸糞。そして野次馬 --- 彼の名はピーター・クイン。
聞いてください、ここは戦場です --- 前シーズンから引き続きCIA職員ではないキャリーは母親として葛藤する、そしてクインにしたことでも…。女性初次期大統領エリザベス・キーンのご意見番的立ち位置。フラニーがアダルを"変な髪型"のおじさんみたいに形容していたのが笑った。そして個人的に何故だか共感しやすい安定のマックス。本作が観客の注意を引きつけるのはそうした倫理的にグレーゾーンな部分にまで踏み込んで、どのキャラクターも一面的にすることなく掘り下げるから。まさしくテロの脅威が益々現実味を帯びていた今世紀頭またテン年代に作られる価値があった。と主要キャラに大きな転機もあるものも正直、本シーズンは本作ホームランドにおいてベストなシーズンではないかも。が、それでもなお視聴者の注意を引きつけるには十分なだけの面白さ興味深さ緊張感と今その時々の世相世界をよく映し出している。あの次期大統領お前が民主主義を謳うな。けど、そんな風に身を呈したピーターことジョン・ジュニアの遺志も虚しく、誠実さとはかけ離れた政治、自分にとって都合の悪い政敵の粛清が身勝手な理由でまかり通るなど虚飾と欺瞞だらけの権力の権化ホワイトハウスを見据えるキャリー。彼女の眼差しにはどう映っているのか、結局何も変わらないのか。

M+M
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