漱石枕流

アンナ ディレクターズカット版の漱石枕流のレビュー・感想・評価

4.0
ペ・スジの存在を『スタートアップ 夢の扉』で知り、すっかりファンになった私。過去の出演作も主要なものをおおむね鑑賞し、新作を楽しみにしていた。単独初主演という触れ込みに、さらに期待が膨らんだ。

ところがいざ鑑賞を始めてみると、まるで胸がときめかない。なぜかというと、いままでのペ・スジとはまったく違う。表情が乏しく、セリフもすくない。明るくはつらつとした笑顔が魅力的だったことを考えると当然。

ただこれは物語上の理由があって、いわゆるそういう設定がなされているからだ(E1でイギリス人女性に「ポーカーフェイスよ」と諭される)。とはいえ、そうなると彼女にこの役がふさわしかったか? という疑問が湧いてくる。

ペ・スジがこのオファーを受けたのは、たぶん女優としてのキャリアを積みたかったからだと思う。その姿勢は大事だと思うのだが、私としてはこの作品が彼女に向いていないのではないかと思う理由がもう一つある。

それは美人すぎるということ。
要するにこれだけの美貌を持っていれば、べつに学歴なんかなくてものし上がることは可能だと思うのだ。

もっともそこは〝お約束〟ではあるのだが。ただ、それを考慮してもペ・スジがこの作品にふさわしかったとは思えない。

そういう感じで当初は当てが外れた感が強かった。しかし話数を重ねるにつれて、すぐにその不満はなくなった。

ドラマとしては、たいへんおもしろいのだ。もうどんどん引き込まれて、目が離せなくなった!

とてもよくできた脚本だし、演出も私の好み。他のどの作品にも似ている感じがしない。一般のミニシリーズの半分の話数でありながら、とても長い物語に付き合っている感じがした。

もちろんご都合主義はある。が、それも他の韓ドラ同様なので、あまり気にならなかった。

むしろそれよりも、E8ラストの展開がよく呑み込めなかった。正直、未だにちんぷんかんぷんである。よってチャンスがあれば、また見直したい。

[オリジナル音声+日本語字幕]2022/08/25-09/01 Amazon Prime Video
漱石枕流

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