なお

ガリレオ 禁断の魔術のなおのレビュー・感想・評価

ガリレオ 禁断の魔術(2022年製作のドラマ)
4.2
昨秋公開の映画『沈黙のパレード』公開記念として放送された、2時間枠のスペシャルドラマ。
『禁断の魔術 ガリレオ8』内のエピソード「猛射つ(うつ)」を原作としている。

✏️科学を制する者は世界を制す
原作既読。
…今から10年以上前に。

そんなワケで当エピソードがどんな科学的トリックを使い、ガリレオシリーズ特有の「愛憎渦巻く人間模様」を描いたエピソードであったか忘れていたが、”レールガン”というキーワードで記憶が徐々に蘇ってきた。

本作では、天才ガリレオこと湯川学の教え子・古芝伸吾が物語のカギを握る。

作品の時間は2時間弱と、映画とほぼ変わらない尺。
テレビ離れが叫ばれて久しい現代においてなかなか攻めた時間だと感じたが、それをあまり感じさせないほどテンポ良く物語が進む。

湯川と草薙刑事のおなじみのコンビはもちろんのこと、本作には登場しない内海薫のポジションを気の強い女性刑事・牧村(新木優子)が務める。

何が行われているのか素人には分からない実験シーンに、ドラマ版ガリレオの代名詞ともいえる呪文のような数式を湯川が一心不乱に書きまくるシーンも健在。

個人的には、劇場版では出番のなかった栗林さん(渡辺いっけい)が登場したのが嬉しかった。

テーマ性もあり、
「科学は正しく使えば世界を豊かにするが、誤った使い方をすれば世界を破滅させる」。

湯川も感心するほど科学分野における知識と技術を持ちながら、その能力を誤った方向へと向けてしまった古芝。
彼の姿を見た湯川が抱く葛藤や責任感というものがよく描かれている。

☑️まとめ
2時間という時間を感じさせないテンポ、また良くも悪くもドラマ版ガリレオの王道の流れを踏襲した展開は、やはり安定感高し。

しかし、劇中で古芝と湯川が数式を壁や車のガラスに書くあのシーン。
今見ると明らかにやりすぎというか、だいぶドラマ用に誇張されてる演出だよな…と今さらになって感じた。
シーズン1(2007年)を見ていた中学生の時はあんなにカッコよく目に映ったのに。

ちなみに、本作のカギを握ることとなったレールガン。
数々のSF作品やテレビゲーム作品によく登場し、その多くが兵器として扱われているが、実際にはまだ研究段階で実用化には至っていないという。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★★
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