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一流シェフのファミリーレストラン シーズン1のエスのレビュー・感想・評価

4.5
NY高級レストランのシェフだった弟が、死んだ兄が遺したビーフサンドイッチ店を引き継いだ事で巻き起こるトラブルを描いたドラマ。S1は全8話で1話約30分。

曲者揃いのスタッフがいる店を一流シェフが立て直すプロットが面白くない訳がない。

一応ジャンルはコメディだがレストラン業界の労働環境やパワハラ、依存症などの問題に切り込んでいて、S1通していつ破綻するかの危うさと緊張感が漂っている。
1話からセリフの応酬の密度が高く、大人同士が真剣に怒鳴り合う姿は確かにコメディかもしれない。
レストランは戦場という言葉がピッタリ合う。

レストランスタッフは俳優陣の熱演もあってどのキャラも立っている。
主人公のやり方に反発するスタッフ達が次第に変わっていく流れはこの手のドラマのお約束だが熱い!

主人公カーミーはハンドダブルを使ってないようでジェレミー・アレン・ホワイトがゴールデングローブ賞などで主演男優賞受賞も納得。

修理屋のファクも良い味を出しているキャラだが、演じているMatty Mathesonが実は本職のシェフというのには笑った。劇中では絶対料理させてもらえなかったのに。

あと主人公カーミーの使っている包丁が日本の包丁で「おお!」となった。
使われたのは福井県武生の鍛冶職人・加藤義実さんの包丁。

ちなみに『一流シェフのファミリーレストラン』の原題は『THE BEAR』。
何故、BEARなのかはカーミーの苗字のベルツァット(Berzatto=“Bear”zatto)に由来すると思われる。
劇中でもカーミーは「ベア」とあだ名で呼ばれているし、Berzattoはカーミー、マイケル、シュガー3兄弟のファミリーの苗字でもある。つまり『THE BEAR』はカーミーたちファミリーの事を指していると考えられる。

加えて、劇中ではまかない料理のシーンが何度も登場するが、まかない料理は英語で『Family meal』。
血が繋がっていないが料理で繋がっているファミリーの姿がそこにある。
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