メランクさん

エルピス—希望、あるいは災い—のメランクさんのレビュー・感想・評価

5.0
なんなんこのクオリティ!

冤罪と政治家とジャーナリズムの話ってことで
しかも渡辺あやの脚本が評判だったんで
ものすごく見るのを楽しみにしていました。
しかし、こんなに素晴らしいとは!

序盤から具合悪そうな浅川と岸本が、
最初は外圧に突き動かされながら
いつの間にやら熱くなってくって展開。
こういう人の内から沸き立つ熱の描き方が渡辺あやって本当にうまい!

しかもそれとは真逆に2人の持つ弱さがきっちり描かれてて、
とりわけ齋藤さんと浅川の関係がマジでリアルで
いや本当に浅川マジでさぁ〜ってなった。

冤罪事件のバックに政治家が関与してるって話を
こうも巧みな構成で見せてくってのがすごいのに、
その社会性だけに終わってなくて、
しっかりと人の尊厳や報道の意義を突き詰め、
なんで殺されなきゃならんの?って恵那の言葉に集約してくの本当にたまらない!

なんで殺されなきゃならないの?

最後に恵那がやろうとしたことは本当に真っ当なことなんだよなぁ。

とにかくこういう「信じられる」作品に会えるから、
私は映画やドラマを見てるんだよなぁ。

本当ならこういうのを期待したNetflixの「新聞記者」より
一兆倍は優れてる今作が民放でできるのか。
マジでこんな作品が多くの人に見られてほしい。