めしいらず

TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇のめしいらずのレビュー・感想・評価

TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇(2022年製作のドラマ)
3.4
岡本太郎作品をモチーフにした怪獣たちを、これまた岡本太郎作品をモチーフにした巨大ヒーロー(「パンズ・ラビリンス」のペイルマン風でもある)がやっつける、70年代作品の体で作られた特撮ヒーロー活劇。岡本太郎の箴言をなぞるように物語が進行し収斂していく。奇矯なヒーロー像が大いにふざけ切っている。70年代風のチープ感を狙った画作りにも、本作を子供の頃に再放送で観ていた体で話すサカナクション山口のコーナーで紹介される如何にもありそうなグッズにも実に念が入っている。作り手の遊び心とセンスに感心させられることしきり。著書「自分の中に毒を持て」に出会った時の魂が揺さぶられる衝撃と感動を何となく茶化されたような所感がなくもないけれど、もし岡本氏が生きていたなら本作をきっと大喜びしただろうとも想像してしまう。型に嵌められることを何より嫌い、常に危険な道ばかりを選び、後先を考えずに飛び込んだ氏の言葉は、きっと現代の若者にも新鮮に届くだろう。
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