雨丘もびり

ダーマーの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

ダーマー(2022年製作のドラマ)
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「ミルウォーキーの人狼医に診てもらった」
ってイーニッド(ウェンズデーのルームメ
イト)が言ってて、そういえばダーマ―の
ドラマがNetflixのオススメに上がってたな
って思い出したから観てみた。連想が不穏。
ダーマ―嫌いだけどね、卑怯で吝嗇だし。
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....観たら、良い意味でツラかった。
もう観なおしたくない。
遺族、ジェフ、ジェフの両親、それぞれの
心情に歩み寄って紡いでしまったドラマな
ので、視点が公平すぎて良くも悪くも共感
できてしまう反面、そりゃ関係者たちの怒
りをかって当然だよねと思う作品。
ただ、よくぞ作ったとは言いたい。
キリスト教義の救いが齎す矛盾も容赦なく
浮き彫りにしていて見事。

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ダーマ―がぼそっとつぶやく、
「...行かないでよ、帰って来ないんだろ?」
っていう台詞の淋しさが、痛かったー。
あぁこれか~動機とホンネッ!て、解っち
ゃう気がして危険だった。
でも、被害者意識を握りしめてる人に特有
の、平気で嘘つくサマはすごい嫌いだった。
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お父さんの苦悩と自責のスパイラルは.....。
完璧な親なんて居ないし、子供に対して、大
事な家族だからこそ踏み込めないギクシャク
感もあるし、どう立ち入って良いか分からな
い思考停止状態に陥ってしまったことを責め
ることは私にはできないわ。
でも、無関係な被害者では無いわけだし、ネ
グレクト気質はレストランでの出版記念ラン
チシーンにも顕著。
カクテルで祝ってんじゃねー。
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しかしまぁ、ね。
よくこんなのドラマ化したよ...薬を盛られて殺
される間際の恐怖シーンとか。キツい。
隣室のおばさんにレバペのサンドイッチを食べ
させようと静かに圧かけるシーンが激コワ。
もっとヌメヌメじめじめ湿った部屋なのかと思
ってたけど、カサカサ乾燥した空気感だったの
が意外でした。
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被害者のチャイナ移民家族にイタ電かける警官
たちにはマジ殺意。
ただ、アフリカ系居住区の危険性や暴力性もあ
ったはずで、被害者サイドの面しか描かれてい
ないのは注意が必要かも。