スティッキー

ダーマーのスティッキーのレビュー・感想・評価

ダーマー(2022年製作のドラマ)
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作品はとてもよかったけれど、数字をつけると言うことに戸惑いがあったので、スコアは無しとさせていただきます。

すごく、なんといったらいいのかわからない作品です。
作品としては素晴らしかった、本当に、美しいと表現してもいいほどに。
心の中を、言葉や表情や文字ではなく、空白で表現していて、見る人に委ねる形になっているのがすごくよかったと思います。

私は常に、ジェフリーの悲しみや寂しさが伝わってきて…最初は特にそういった感情を受け取ったことによる涙が出ていたんですけど

途中から、恐怖や、憤り、やるせなさ等他のものに起因する涙が出てきて

感情がもうぐしゃぐしゃになるって、こう言うことだな…と、8話の終わりあたりで一旦冷静になりました。

結構一気に見てしまったのですが、それも見てない時間もこの事についてかんがえてしまって…私の中に生まれたジェフリーや、家族、被害者、遺族たちが私が見終わらないと救われない…!と、変な脅迫概念のようなものが出てきて…ダダダっと、結構駆け足で鑑賞しました。

終わりが全く見えなかったのですが
終わり方も、スッと
見ているこちらも理解が間に合うような流れで終わったと思います。
感情がまとまったと言うか、受け入れてはいないけれども、ああ…お話が終わったんだな…と、思えました。

今もこの世界に、同じような気持ちを抱えて生きてる人がいて
でもその埋めようのない寂しさを、誰かが愛をたくさん持って、暖かさを分け合うように温めても、きっと埋まらない。
…………この作品を見た私たちにできることって、何でしょうか。

私は、ただ漠然と
しっかりと人と向き合おう…としか、今は思えませんでした。私の経験だけではまだ色々と足りないですね…悔しいです。
被害者、ご遺族の方々がすこしでも安らぎを得て過ごせますように…祈ります。


【余談】
大人になって、お化けも信じなくなり
怖がることもなくなりましたが
なぜか窓を開けて寝ることが怖くなりました。
スティッキー

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