恋愛ものとしての側面が強く打ち出されていますが、人物の成長も見どころです。これは個人的な見解に過ぎないのですが、
・ムンホは言論を用いて戦い、贖罪すること
・ジョンフは自身の不確実性を乗り越え、人を愛すること
・ヨンシンは人を信じ、自分の中にある恐怖を克服すること
がそれぞれテーマなのではないかと思いました。最高の恋人としてのシーンよりもジョンフが師匠に胸中を吐露するシーンや「怖いもの知らず」のヨンシンがジョンフに自分の恐怖を打ち明けるシーンなど、人物の弱さが表されているシーンの完成度が高いと思います。
以下少しネタバレです。
10話の記者会見の場面が最終回の伏線になっていたり、序盤のカフェのシーンが後の展開を暗示しているなど細かい演出や人物の対比、反復がちりばめられています。
・戻らない師匠と引き返すジョンフ
・娘にお菓子を作るミョンヒと編み物をするミンジャ
・クッキーを一人書斎で食べるムンシクと一枚の大きなクッキーを父と分け合うヨンシン
・ジアンにクマのぬいぐるみを渡すムンホとヨンシンにウサギのぬいぐるみを渡すジョンフ
・「1度だけ信じて」と言うチスと「1度だけ目を閉じてみろ」という御大
・回想シーンで聴診器をつけているジアン
…など、見返してみると発見があって面白いです。大好きな作品です。