過去作レビュー
観たのはおそらく2018年の前半で、2017年かもしれない。
ファーゴ、最初に観た時、
凄く嫌いだなと思って。
怖いなと思って。
平穏に暮らしていたはずの夫婦が、
ビリー・ボブ・ソーントンとの、出会いによって、破滅へ転がっていく様子が怖くて。
こんな人に出会ってしまったら、
悪魔のような人間に出会ってしまったら、
と思ったのだけど、
今、何年か経って、
『ファーゴ』という作品の描くテーマ物語がむしろ大好きなものになっている。
人と話していて、
2つの考えがあると思ったんだよね。
一部のおかしい人がいるから平穏な世界が壊れるんだという考えと、
世界が不平等で人生は不条理だから人間はおかしくなるんだという考え。
私は後者の方に考えが移行してきたのかかと思う。
前者で考えると、この話は怖い。
悪魔との出会いで平穏な世界が壊れていく話。
でも後者で捉えるなら、
不条理な世界で、なんとか自分の世界の平穏を保とうとする人間の可笑しさ、そして、愛おしさのように感じられる。
その滑稽な、でも愛おしい物語を、私は観たいと思う。
またいつか、再鑑賞したい。