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FARGO/ファーゴ 始まりの殺人のfilmoutのレビュー・感想・評価

FARGO/ファーゴ 始まりの殺人(2016年製作のドラマ)
4.3
シーズン1で出てくるスー・フォールズの大虐殺に話を戻して語られるシーズン2。

コーエン兄弟らしいプロットでブラッド・シンプル、ミラーズ・クロッシング、バーバー、ノーカントリーなどで見たようなシーンが繰り返されるけど、このヌルッと転落していく語り口が本当にクセになる。

それとやっぱり全体に漂うニヒリズム、ドイツ表現主義、シュルレアリスム。
8話のタイトルはマックス・エルンストの怪鳥ロプロプだし、9話の城はカフカか。
ゲアハルト家、カンザスシティ、エドとペギー、ルー、そしてルーの妻ベッツィもそれぞれ皆が急に得体の知れない不条理と戦い始めることになるストーリーを見ても全てが示唆に富んでいておもしろい。
電話ボックスがある店の中にある表記Future is Hereも「おっ、『未来は今』か!?」なんて思ったり。

重要なシーンで急に出てくるアレはシーズン3への伏線なのか、それとも不条理の塊として表出したものか分からんけど、シーズン3を見るのが楽しみで仕方ない。
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