アメリカの寒い田舎町で起きる連続殺人事件の話。というと単純だが、このシリーズ(というか元となったコーエン兄弟の映画『ファーゴ』)は、超自分勝手でアホなところのある人物が咄嗟の噓をついたり保身に走ったりして、しかもそれが連鎖し、事件があり得ないレベルで複雑化してしまう、という一貫した特徴がある。そして本シリーズはコーエン監督の傑作『ノーカントリー』の要素、常人の想像力では考えつかない突出した悪党が出てくる、という点で共通している。「深刻なのに間抜けな事件の滑稽さ」がどう面白く出来ているか、が評価のポイントになるんだけど、シーズン1「殺し屋とバカな主人公」、シーズン2の「ギャング抗争とバカップル」の主要登場人物に比べ、シーズン3は「薄味」でしたね。ちょっとこのシリーズにも限界がある感。
