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透明なゆりかごのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

透明なゆりかご(2018年製作のドラマ)
5.0
1997年・夏。アオイ(清原果耶)は看護師見習いとして「由比産婦人科」へやって来た。いきなり中絶手術の現場を目撃して衝撃を受けるが、はじめて出産にも立ち会い、産まれて来る赤ちゃんの生命力に心を揺さぶられる。アオイは、院長の由比(瀬戸康史)、看護師の紗也子(水川あさみ)・榊(原田美枝子)らと共に妊婦さんひとりひとりに向き合っていく...。
沖田×華の同名漫画をドラマ化。
不倫の果てに相手の男に黙って出産しようとする女性や1型糖尿病で出産が困難な女性や未成年で出産しようとする少女や妊娠中に胎児が病を抱えていることが分かった女性や身近な男性から性暴力を受けた少女など、生まれてくる命と消える命が交差する産婦人科の喜びと悲しみと苦悩を、見習い看護婦のアオイの目線から描くことで、悪阻などで不安定になる妊婦の不安定な精神状態や「無事に産めるか」という不安そして無事に出産出来ても胎児に病があったり出産時の異変で母親や胎児が亡くなることがある出産というものの光と闇や妊婦の喜びと苦悩を丹念に描かれていて、命の尊さや母親の偉大さを痛感するヒューマンドラマ。
ADHDであることで、母親が戸惑って傷ついたことから仲を拗らせた母親との絆、空気を読めなくて他人の感情を理解出来ないADHDを抱えながら様々な妊婦と関わることで成長していくアオイの青春模様が交錯して、心揺さぶるヒューマンドラマに仕上がっている。
ADHDを抱えながら産婦人科で様々な妊婦と関わることで成長していくアオイの繊細な心情を雄弁な目力で演じた清原果耶、しっかり者だが妊娠中の揺れ動く望月の心情を丁寧に演じた水川あさみ、様々な妊婦に真摯に向き合う産婦人科医の由比を演じた瀬戸康史、頼れる産婦人科師長の榊を演じた原田美枝子ら演技派俳優のアンサンブル、心揺さぶるヒューマン医療ドラマの傑作。
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