真田ピロシキ

SMALLVILLE/ヤング・スーパーマン<ファースト・シーズン>の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.2
見たのは2011年頃。S1からS6まで見て途中は配信になくて、数年後にCATVに入ってた時にすっ飛ばして最終シーズンを見た。シーズン毎に書けるほど詳細な記憶はないのでひとまとめにして感想。

今のようなアメコミ実写バブルじゃない時に作られ始めたドラマなので表現することに対して照れがある。空は飛ばないコスチュームは着ないと決められてて、特にコスチュームは主役のトム・ウェリングが「恥ずかしいし役者としてのキャリアが終わる」と言ってたほどで今なら「栄えあるスーパーマン役に対して何様のつもりだ」とコミックファンからバッシングされそう。これが悪いかと言うとそうでもない。スーパーマンではないクラーク・ケントを描くのなら超人に振りすぎててはいけないのでこのくらいが収まり良い。それも長く続けてると人間的な部分だけでは膨らませられなくなってきて、グリーンアローやフラッシュとジャスティスリーグを結成したり、完全スーパーマン案件のメタヒューマン系有名ヴィランが出てきたりでそれならもうコスチューム着ろよと思うようになってしまった。

そういうヴィランを出さずとも宿命のライバルである人間レックス・ルーサーが清濁併せ持った面白いキャラクターだったのでより余計に思わされる。ジーン・ハックマンで有名な愛嬌ある小悪党とは違った渋みのあるレックス。トリックスター気取りのつまらない奴だったDCEUの若造とは全然違う。本人は善良であろうとしながらルーサーであるがために周りから悪と見られそうなっていく。レックスの父親であるオリジナルキャラのライオネル。この人も悪人なのだが情深い所を時々見せてて親子共にドラマを盛り上げてくれる。オリジナルキャラクターではもう1人欠かせないのがクラークの友達クロエ・サリバン。この子は本当可愛い。脇役の同級生から徐々に物語の中での存在感を増して行ってて、ハーレイクインのような逆輸入されて出世できるポテンシャルを持ったキャラだと思うのだけれどそうはなってない模様。クラークと恋愛関係にならないのが良いんです。クラークの恋愛パートは地球最強の男なのに繊細と言うよりウジウジしてて、相手のラナも鬱陶しいことこの上ない。途中でロイスに変わるも恋愛感情なかった頃の方が姐さん的で魅力的な女だったよ。

クリストファー・リーヴや元ロイスのマーゴット・キダーがゲスト出演しててクラークの母マーサはスーパーマン3でラナを演じていたアネット・オトゥールだったりと旧来のファンへのサービスが随所に見られる。コミックからは距離を置こうとしておきながら長く続いたのはそうした気配りの賜物かと思う。