このレビューはネタバレを含みます
障がい者に対するデビッド伊東たちの見るからにエグイいじめと、世間のおもてづらは聖人君子ながら、工員たちの給料を搾取しまくり雛形あきこには性的暴行を繰り返す社長。薄い証拠で刑事裁判に持ち込んでも、あっさり反対尋問で崩されてしまい社長の段田安則は無罪になる。大河ドラマ鎌倉殿の13人で段田安則の権力者ワルぶりをみたひとにはこちらが元祖権力者クズだと教えてあげたい。良心のある工場長の斉藤洋介は借金という弱みを社長に握られているので反抗したくても反抗できず良心の呵責においつめられる。障がい者の工員たちは家庭で全員邪魔者扱いされているため、工場に我慢して住み込むしかない。赤い髪の広末涼子がなぜに必要だったかは不思議なのだが、最終回のわずかな部分と弁護士のいかりや長介にであえたこと、藤田弓子が永遠への母心を取り戻してくれたこと以外は救いがないに近いドラマ。酒井法子が善意過ぎる音楽教師をやっているのだがつくりごとぽいかな。地上波で放送された当時、障がい者に対するいじめを助長放置していると誤解されてはこまるとスポンサーがのきなみクレジットを取りやめたのはわかるエグさ。しかし、こういう視聴者をぐいぐいえぐるドラマを書けていたのが、この頃は天下無双の野島伸司脚本。松本恵も雛形あきこも可愛いのだが、平成版白い巨塔で安西講師をやってた小林正寛がどうみてもリアル精神障がい者にしか見えないはまりぶり、そして最初から最後までいしだ壱成がおそるべき役者才能を発揮していることが堪能できる作品です。エンディングの中島みゆきの糸そして命の別名、両方ともドラマの世界観にマッチ。いしだ壱成・広末涼子・酒井法子、主演3人が揃って刑事事件をリアルでしでかしたのでなかなか配信も難しかったのだが、20世紀のドラマの放送コードがどのレベルだったかを知るにも文化的に有用な作品