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キラー・ビーのkuuのレビュー・感想・評価

キラー・ビー(2023年製作のドラマ)
4.0
『キラー・ビー』
原題:Swarm.
製作年2023年。
全7話 各30分程度
大好きなポップスターに憧れるあまり、軌道を外れた行動に出る女性の物語。熱狂的ファンの危ない行為やSNSが発する毒性について描いた、戦慄のドラマ。
ビリー・アイリッシュの俳優デビュー作(4話に出てます)。
ビヨンセのオタクBeyHiveを元ネタにしたAmazonドラマ『キラービー』。

世界的に有名なポップスターであるナイジャに夢中なドレは、いつもそのナイジャのパフォーマンスと曲に心酔し、それが人生の中心になっていた。
スマホではナイジャのファン・コミュニティである『スウォーム』に入り浸り、日々ナイジャのトレンドを追って、他のファンの悲喜こもごもな反応を眺めては、自分の居場所を実感している。
ところがドレの日常に悲劇が起こり、ドレの中にいる狂気が羽音を立てる。。。

今作品はドナルド・グローバーとジャニーン・ネイバーズが共同制作したAmazonオリジナルの新シリーズ。
プロデューサーは、『ネタバレ禁止』リストを発表し、7つのエピソードがカラーで撮影されているという事実以上の詳細な情報を提供しないようにしたそうです。
しかし、この限定シリーズが持つファン文化に対する挑発的な見方や、そうした忠誠心がいかに執着に変わり得るかについては、多くのことが語られていると思う。
グローバーは、TV作品では明らかに自分のドラムのビートに合わせて行進しており、この間、放送終了の『アトランタ』はその代表的な例と云えるかな。
今作品もまた、ほぼ間違いなく奇妙な作品やった。
スタイルとテーマの寄せ集めで、痛烈な風刺、控えめなコメディ、そして最も顕著なんはホラーで、『ゲットアウト』以降のジョーダン・ピールの作品のいくつかを思い起こさせる方法と云える。
今作品はナンちゅうても主演のドミニク・フィッシュバックに尽きる。
彼女はアメリカの女優さんでありながら、若いのに劇作家でもある。
『ショウ・ミー・ア・ヒーロー』のビリー・ローワン役や、『デュース』のダーリーン役、そして、『ユダと黒いメシア』のデボラ・ジョンソン役などで知られてる。
今作品シリーズでの彼女の演技が世界的に賞賛されてんのも頷けるほどイカれさ加減は唸るほどでした。
今作品の主人公ドレは不器用な性格やけど、友人のマリッサ(クロエ・ベイリー)と強い絆で結ばれてて、その中にはビヨンセと混同されがちな、ナイジャちゅうポップスターへの情熱も含まれてた。
実際、Ni'Jahの熱烈なファンは自分たちのことを「Swarm」と作中呼んでたが、これは、スターを熱心に応援するファンたちのことを“Beyhive(蜂の巣を意味するbeehiveと掛けている)「BeyHive」として知られる集団への暗黙の了解。
ドレは、ほとんど無軌道で、夢遊病のように出会いの中を歩き回り、ナイジャは、基本的に彼女をあちこちに導く光として機能している。
その結果、グローバーらしく、奇妙な回り道が多くなり、物語が独自のペースで展開され、何が重要なのかを急いで明らかにするようには見えないし、少し弛みを感じるかな。
しかし、忍耐は報われ、最後の3つのエピソードで、ドレのバックストーリーを含めた全体像が徐々に形成され、最終的には、盲目的なヒーロー崇拝がもたらす弊害、つまり、基本的に自分の人生を知りもしない誰かに委ねるということが、その要点となる。
今作品は確かに万人向けではなく、ネタバレにならない程度に、暗く、暴力的で、時折不安にさせる作品であることを視聴者に警告しておく必要があります。
しかし、今作品が取り組んでいるテーマは、人々がインターネットに接続された情熱を中心にコミュニティを形成しているこの時代に、耳を傾けるに値するほど重要なものだと感じた。
フィッシュバックは、言葉を発することなく釘付けにし、彼女の目にある痛みと切望で多くを語ることができるパフォーマーの一人やと今作品で証明してる。
ドレにとって、ナイジャを軽んじること以上の罪はない。
今作品は、そのようなメンタリティがどこに行き着くのかを考え、長時間のビートを正当化するために常に機能するわけやないけど、最終的には、少なくとも個人的には尊敬を勝ち取るために十分な刺戟を与えてくれたし、劇場で見たいと思わせた。
シンボリズムとメタファーにあふれた、信じられないようなテーマ性のある言葉を持ってたかな。どのエピソードも、終わるころには単純に肌に馴染んでくる。
また、ビリーアイリッシュのエピソード(4話目)での不気味さと演技力には楽しめた。
35mmフィルム撮影とアーテイストのアスペクト比が、このプロジェクトを素敵なリボンに結んでたかな。

エピソード 1 36分
蜂の一刺し

エピソード2 34分
ハニー

エピソード3 29分
甘い誘惑

エピソード4 38分
逃避行

エピソード5 27分
帰郷

エピソード6 35分
見過ごされた犯人

エピソード7 34分
結末はハッピーに
kuu

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