明宏

キリング・イヴ/Killing Eve シーズン1の明宏のレビュー・感想・評価

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ミステリー小説が原作なのだが、舞台脚本等を書いてるフィービー・ウォーラー=ブリッジがドラマというフォーマットに仕立て上げることで、他で見たことのない妙なリズムのドラマになっている。
どれくらい原作を生かしててるのかは分かんないけど、触れ込み的にはフィービーのテイストがかなり入っていそうだし、違ったクリイエティビティを土台にして自分が形作りしていくのは結構楽しいんだろうな。
普通の犯罪ドラマがやっておくであろうセオリー的な部分を結構飛ばしながら描くので、そういうオーソドックスな犯罪ものを求めると肩透かし食らうかも。シーズンごとにショーランナーがバトンタッチするのも含めて固いミステリーやるつもりは毛頭なく、ドラマらしくそのシーズンを精一杯面白く走るって感じなんだろうなとも思うので、構成は好みではないけど十分かな。
コメディのテンションで引っ張り上げつつ先述の妙なテンポがほかに似てる作品が思いつかない独自の雰囲気があってとても良い。

ちょうどこの前ビル・ヘイダーのバリーを観てて、あっちも殺し屋が主人公の話ではあるものの、主人公が自身の暴力性や男性の持つ加害性に自覚していくような展開とは全然違う展開で面白い。
ヴィラネルは自身の殺人行為を反省するような素振りは少しも無い上で、もう1人の主人公であるアジア系イギリス人女性のイヴと奇妙な絆を編み出していく。バリーよりも凹まずに痛快に観れる
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