テリーマザーファッカー虎

ウルトラマンR/B(ルーブ)のテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

ウルトラマンR/B(ルーブ)(2018年製作のドラマ)
3.8
前2作が結構シリアスな話だったのに対して本作は全編コミカルなホームドラマテイストに舵を切ったのは大胆で良かったです。しかもレオとアストラ以来初の兄弟ウルトラマンの登場やX以来の融合型ウルトラマンが主人公だったりと毎回新しい要素を入れてくる製作陣の熱意は相変わらず素晴らしい。

やはりホームドラマということもあって登場キャラクターが非常に魅力的でした。
なんと言っても三兄弟の妹である湊アサヒは其原有沙の美少女っぷりと抜群のキュートさでシリーズトップのヒロインだったと思います。しかも後半部に関してはほとんど主人公のような扱いを受けていたのも印象的。敵として登場する美剣サキとの百合展開も実際は女性主人公でやりたかったのでは?と想像してしまうくらいの気合いの入れよう。
故に本来の主人公であるカツミとイサミが後半は深く描かれていないのは少々残念。

正直前半と後半でメインの敵が変わったり、敵の心情がコロコロ変わっていったりするのでそこら辺はあまり上手じゃないなと思ってしまったのですが、全編コメディテイストということもありギャグ回のクオリティは素晴らしかった。
特にブースカが登場する第17話『みんなが友だち』や瞬間メタル山口とまんじゅう大帝国の竹内が登場する第18話『明日なき世界』は名作だと思います。

最終回の出来も本当に良くて、家族物というテーマをしっかりと打ち出しながら終わるラストは三森すずこが歌うエンディングテーマの『夢飛行』も相まってとても暖かい素敵なシーンになっていて号泣してしまいました。

『SSS GRIDMAN』のオーイシマサヨシによるオープニングテーマも本当にカッコ良く、オープニングとエンディング含めて楽曲はシリーズのなかでも一番好き。

前半の敵でもあり第4の壁を壊してくるかなりメタ的なキャラクターである愛染マコトは深水元基の怪演も相まってかなり魅力的だったので退場が非常に雑なのは本当残念でしたが、全体的には軽く見られる上に誰が見ても楽しいウルトラマンになっていて良かったと思います。