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応答せよ1997のPaperCupのネタバレレビュー・内容・結末

応答せよ1997(2012年製作のドラマ)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ゲラゲラ笑えると聞いて観始めたけれど、笑いのツボが違うのか笑えなかった。釜山の人たち、特にお父さんとお母さんの常に怒鳴っているような喋り方がうるさくて辟易。主人公シウォンを演じる女優さんも、シウォンの身勝手さも苦手だし、幼馴染みが異性として気になり始めて…という「またか…」展開にも興味が湧かず。でも、イムシワンが出るのを目当てに続けて観ていたら(一瞬だったが…)、このやたらうるさい家族に隠された意外な事実が少しずつわかってきて引き込まれた。それと、ジュニのやり場のない恋の行方が気になって。ドラマ構成は上手いと思う。

しかし、結局亡くなったお姉さんの存在にそこまで意味はなく、ユンジェのお兄さんがお姉さんと付き合ってた設定も特に必要なかったのでは。亡くなった彼女の妹を何のためらいもなく好きになるのも、辞めるとはいえ先生が在学中の生徒に告白するのにも抵抗を感じて、ユンジェのお兄さんは好きになれなかった。ユンジェに対するお兄さんらしい愛情もあまり感じられず。
 でも、最もドン引きしたのは、ユンジェがシウォンの部屋の鍵を勝手に開けて中に入ったこと。しかも、帰れと言われているのに帰ろうとしないどころか、合意が成立しないままなし崩し的に関係を持つとか、ユンジェには本当にがっかりした。結局、二人もシウォンの両親のように大声で喧嘩ばかりする従来型釜山の夫婦に落ち着くという顛末、うるさいだけで何も面白くない。ユンジェが、付き合い始めるとシウォンに対して偉そうな態度を取るようになるのも男尊女卑的で見ていて不愉快だった。このあたりは、2021年のドラマだったらあり得ないはずだと思う。

結果として1997年~当時の韓国の風俗や社会状況がわかった点は勉強になった。韓国ペンのエネルギー強烈。それにしても、釜山弁というのは訛りが強いというか、通常ドラマで耳にする韓国語と全く違って面白い。ソウル弁の東京弁的な扱いや、ソウルに対する釜山民の屈折した感情などは、大阪人の東京弁や東京に対するそれと似ているような。ハクチャンはソウルの言葉を話すだけで3割増しくらいカッコよく見えるのだろう。
 ジュニ、赤い車が迎えに来る最後は幸せそうな顔をしててよかった。ソンジェだけは最後まで一人だったけれど、多分大丈夫なのだ、と思いたい。
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