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手紙のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

手紙(2018年製作のドラマ)
4.7
武島直貴(亀梨和也)の兄・剛志(佐藤隆太)は、4年前、直貴を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った家で思いもかけず人を殺めてしまい、強盗殺人の罪で逮捕。
懲役20年の判決が下された。それ以来、獄中から月に一度、弟の直貴のもとへ手紙を送り続けている。
働きながら定時制高校へ通う直貴は「順調だから心配いらない」と兄へ手紙で報告するが、現実はアルバイトを次々と変え、住む場所も転々とせざるを得なかった。
SNS社会の現代。進学、恋愛、就職…掴もうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく。
次第に直貴は剛志からの手紙を無視するようになり、やがて兄弟にとって大きな選択をすることになる。
差別はあって当然――犯罪加害者の弟という運命を背負いながら、周囲の人々と関わり合い懸命に生きていく直貴が見つけた絆とは一体…?
東野圭吾の同名小説をドラマ化。
強盗殺人を犯した兄のせいで様々な差別や苦難に遭いながらも絆を支えに生きていく直貴を内面を押し殺した表情などに込め繊細に演じる亀梨和也の熱演、明るく健気な中に苦しい過去を抱えたヒロインを演じて一皮剥けた本田翼の演技、亀梨和也と榎木孝明や小日向文世などベテラン演技派俳優とのぶつかり合いで、犯罪者家族の苦悩と再生が丁寧に描かれたヒューマンサスペンスドラマになっている。
クライマックスの亀梨和也が絶唱する「見上げてごらん、夜の星を」が心に突き刺さった。
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