FranKa

1122 いいふうふのFranKaのレビュー・感想・評価

1122 いいふうふ(2024年製作のドラマ)
5.0
(1) EP.1: 「夫婦」に社会が期待するものと、当事者が期待するもののギャップ。そして、時が経つごとに、当事者自身も何をパートナーに期待するかや、何が自分にとって幸せなのか変わってくるということ。パートナーどうしが「対等」である、という一応の共通理解があるからこそ生まれる、現代的課題を、コミカルなタッチではあるが、考えさせてくれる作品。

(2) EP.2: 関係性だけみれば「よい夫婦」。でも「よい」だけの関係性は、衝突を避けているということでもある。その意味では、「偽り」なのかもしれない。

(3) EP.3: 「優しい」けど、いざという時、人の心を汲めない、おとやん。美月はプリンセス体質なのかもしれない。

(4) EP.4: 心のうちを素直に打ち明けるためには、勇気と過剰なプライドを捨てることが必要。

(5) EP.5: やはり、おとやんの主張には疑問符がつく。一子には、身体的・精神的「ケア」が必要だったことは事実だと思うし、自身できちんと認めてもいる。おとやんは、自分が「傷つけられた」とき・「裏切られた」ときだけ、正論をかざすのは卑怯。視聴者のイライラをこれだけ引き出せる、岡田将生さんの演技力がやはり素晴らしい。

(6) EP.6: 「夫婦」は、性行為だけでも、友情だけでも、生活上の役割分担だけでもない。もっと総体的なもので、自分たちで形をつくっていくしかない。一子も、おとやんも、美月も、パートナーが与えてくれないものを、提供してくれる相手と、夫婦関係の外で関係をもっていたように思える。相手が「与えてくれるもの」しかみえていないときは、その人と夫婦・家族になる覚悟がまだできていないのかもしれない。たとえ、子どもができたあとであっても。

(7) EP.7: 二人の関係性は、結局は本人たちがいかに納得しているか、なのではないか。「友達以上、恋人未満」という関係性があるように、「友達以上、夫婦未満」という関係性もあっていい(ただし、友達から夫婦まで一直線というわけでもない)。「夫婦」というかたちをとることで、いかに私たちはいろいろなものを「義務」として、(大部分は無意識のうちに)背負ってしまっているか、ということが、とてもリアルに描かれていたように思う。
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