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ツイン・ピークス シーズン2のjonajonaのレビュー・感想・評価

ツイン・ピークス シーズン2(1990年製作のドラマ)
5.0
〜『14章孤独な魂たち』まで鑑賞

一応、ついに犯人が分かる。
まさかの人物。ゾワッとする演出。
夢の赤い部屋が思ったより出てこなくて、すごい焦らされてる。また見たい…
正直もう謎が謎を呼ぶという感じではなくそれぞれ独立した面白いドロドロ爽やかシュールコメディドラマが展開してて、楽しいな〜と思ってたら急にガコッ!て本線に戻された感じ。そういう意味でもびっくりした。
犯人が全く悪びれてもない感じが逆にリアルで怖い。普通のメロドラマのように最後に泣き落として感じが無い。この世界観の犯人のキャラ造形としても超納得。
オードリー可愛くて1番葛藤するキャラだと思うので応援してたのでクーパー捜査官頑張って助け出せて嬉しい。
父親が悪事に手を染めてて町の娼館組織のオーナーで自分の同級生と恋仲で愛してたなんて…背負いきれませんてこりゃ…!

レオの保険金周りの泥沼化して人間の汚い所が見えてくるのが面白い。植物状態になったのはまあ可哀想だけど、元々DV亭主で町の殺し屋だった奴なんでしゃあない邪魔者消えてよかったねと思ってみてたら、さすがに保険金入るしヤッホイ!誕生日パーティと称して動けない彼の前でおせっせ始める2人にはちょっと汚ねぇぞと思ってしまう。
一方でエドはというと、ムキムキ奥さんが瀕死の危機になると愛人を捨てて愛する事を誓うさまが美しいけど、目が覚めて高校生の頃のままの記憶で大騒ぎする彼女をみてると正直大変そうで美人の愛人とくっつきゃよかったのに…と頭を抱えたくなるカオス。
こんな風にシーズン2からいざ思い通りになっても儘ならぬ現実と気持ち、自分と愛する人の理想像と現実の姿の乖離、白と黒の混同を強調する展開が多くて、まさにこれぞカオス。しかしずーっとのんきなテンポとどこか牧歌的な(自分を大して悪人と思ってない)キャラクターらはさわやかでシリアスになり過ぎる見てられる。毎回いい引きを作る所にもデビットリンチの技がみえる。

〜17話〜
真犯人逮捕後、結構ひと段落ついた感あって明るいムードになった。まだまだ未解決の事案だらけだけどエピローグ感覚で見てる。
ウェイターの女とその母親の会話が印象的な回だった。私の感じ方だし痛みも私のものよ、ってほんとそうよな。
悪の正体がどんどんシュルレアリスムになっていく。クーパーがピュアだからいいんだろうね。ほんと不思議な話で面白い。
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