「10人の真犯人を逃すとも、1人の無辜(むこ)を罰するなかれ」という法格言がベースになっている。ひとりの罪なき人間の人生を奪うことの重さを常に心に留めなければ、正義の名の下に人は暴走してしまう、これほど恐ろしいことはない。
ハセヒロの醸し出す雰囲気は100点満点中の120点。すべてを語らずとも百瀬と明墨の間にあった愛が痛いほど伝わってきて泣いた。2人が好きあっているようなシーンもセリフもなく、あの手紙だけを介してそうと分からせる脚本と演出と芝居がバチッとハマって本当に素晴らしかった。再審を目指すが何度も証拠を握りつぶされ、それが難しいなら別の裁判で事件を俎上に乗せる流れは面白かったが、緑川(木村佳乃)がどういう人間なのか感情移入できるほどの出番が最終回までなく、突然でてきて場を掻っ攫った感がぬぐえなかったのだけが残念。
ラストはキレイに着地した感じ。でもどうやって無罪にするんだろう。