タイトル『ダークマター』からしてSFミステリーの期待値が高まる。これは目に見えない暗黒物質のことを言っているのだろう。宇宙物理学の分野ではその謎の解明に世界中の科学者が取り組んでいる。
最近流行りのマルチバースをテーマとする映像コンテンツは、『スパイダーマン:スパイダーバースシリーズ』がアニメ枠ではほぼ到達点に近いようなインパクトを抱いた。
映画ドラマの実写枠では、決定的なコンテンツがまだ生まれていないが、本作『ダークマター』はこの分野においてトップクラスの評価を得るポテンシャルがある。
マルチバースの話を映像だけでなく、素粒子理論やシュレディンガーの猫の話に沿って奇想天外なストーリーを進めていく。その推進力はかつて目にしたことがないような理系的興奮もある。
最終2話はこれまた予想外の展開でどんな着地を見せるのかまったく想像できなかった。シーズン2以降もどんな話になるのか想定できない。脚本家の発想によっていくらでも広げられる。
次作以降のクオリティによっては、名作ドラマ『DARK』クラスの評価を得る可能性がある。オチも抜群のクリフハンガー。
とても楽しみだ。