かえるのエリー

笑うマトリョーシカのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

笑うマトリョーシカ(2024年製作のドラマ)
4.2
通常7月に入って始まる夏クールドラマで、先陣を切って6月から始まった本作。原作があるそうだが未読なので、タイトルからコメディーなのかと思っていたら、骨太のミステリーだった。





以下ネタバレ感想





マトリョーシカとはよく言ったもので、清家(櫻井)の皮がブレインの退場と共に1枚1枚剥がれていく様を上手く表現していた。中盤あたりから、もしかして中心は清家なのでは?と感じたのは間違ってはなかったが、時計をよく触ってたのは、父の意志があったのね。父の「ポリシーがない」という意志が。ちなみに佐々木が怪しい予想は大外しした。。。

そんな彼が総理になったところで終わるわけだが、彼への質疑応答シーンで一斉に手を上げる記者たちがヒトラードイツのあれを彷彿させて不気味(ちなみに現ドイツでは法律で禁止されているそう)。今まさに各党の総裁選をやっているのもあり、我々がその選出に加われない事に色々と考えさせられた。

先日フッとドラマ「漂流教室」のレビューを目にした。水川あさみを初めてそこで見かけた時に、本能が一発で気に入った。彼女がこういう役をやるようになったかぁと勝手に感慨深くなる(笑)

その他のキャストも素晴らしかったが、注目は3名。

櫻井翔。彼の演技は「大空港占拠」で初めて見たのだが、あまりにも役にハマっていなくて、もはやイジメ?と思っていたが、本作はどハマり。正直演技力はまだよくわからないが、“見くびるな”はよかった。

高岡早紀。どうしてもお騒がせプライベートの方が真っ先に脳裏をよぎるが、それも相まって浩子=彼女そのもの感が半端ない。とはいえ終盤の、息子に捨てられた切なさが秀逸で、上から目線で申し訳ないが、女優さんすごいなと思った。

そしてもう一人はお手伝いさん(名前分からず)。只者ではない感は醸し出していたが、整形した美恵子と解ってからの演技、顔は全然違うのに、美恵子を演じた田辺桃子ソックリで震えた。

他のドラマより早く始まったのもあるけど、9月早々に終わっちゃって寂しいなぁ。毎週楽しみにしてたから。やはりTBS金曜10時が好き。