このレビューはネタバレを含みます
最終回の犯人がまさかすぎて、それが一番の驚きだった。
『絶対零度』(のシーズン3〜4)は刑事モノを基本としながら、「罪を犯した者を逮捕する」という従来の刑事ドラマとはまったく異なるアプローチの仕方が特徴的。
"ミハンシステム"は未然に犯罪を防ぐシステムなので、AIがピックアップする人物はただの"怪しい人"でしかなく、何の罪を犯すのかはわからない。
そして、殺人なのか窃盗なのか、それらが実行される前に捕まえなければならないから、ある意味タイムリミットが設定されている分、緊迫感が増しているように感じる。
特に、ラスト3話がヤバかった。
第9話で香坂朱里(水野美紀)が死亡。
第10話でテロ事件の真犯人が発覚。
で、第11話の最終回における井沢範人(沢村一樹)の究極の選択、と。
正直、香坂さんが死んだのはあんまりピンと来なかったんだけど。。。
ミハンシステムの法制化を強く望んでいたことはわかるけど、立場上現場には出ないし、各メンバーとの絡みがそこまで多いわけでもなかったので、個人的にはあんまり思い入れがなかった。。。
彼女の死に関しては、井沢さんが一番怒り狂っていたけど、彼は妻と娘を殺された過去により、凶悪犯に強い憎悪がある設定なので、他の人よりも大切な仲間が殺されたことに対する精神的ダメージが大きかったんだろうな。
やっぱり第10話のテロ事件の首謀者が判明したときが一番ゾクッとしたよ。
おまえかーい!って。
RPGのラスボスが物語の冒頭からいたパターン。
最終回も見ごたえあった。
2018年のシーズン3から続く井沢の妻と娘が殺されたという過去の真相がついに明らかになり、目の前にいる犯人を前に復讐を完遂させるかどうかで葛藤するところが、このドラマのずっと根底にあった流れへの終止符となりうるかを物語っていたよ。。。。
でも、悲しいのはその犯人の方でもあるんだよね。。。
犯罪がない世界はみんなが夢見ていて、それに向かってがんばっていたのに、彼だけがやり方を間違えてしまってあんな結果になってしまったから。。。
目指していたところは同じなのに、その過程ですれ違いが生じてしまうという。。。
ただ、このドラマ、正直そこまで集中して観れなかったのも事実。
最初にも書いた通り、犯人が罪を犯す前に捕まえるから、「罪を犯したことに対する憎悪」みたいなのが沸きづらくて、感情が入りづらいところもあった。
そんな中でも、個人的には本田翼と森永悠希のやり取りが微笑ましくて好きだったー。
このドラマ唯一の癒し。