肉鹿

ひとりでしにたいの肉鹿のレビュー・感想・評価

ひとりでしにたい(2025年製作のドラマ)
3.9
伯母の孤独死により、"死"へのリアリティが増した学芸員女性(39歳・未婚)に、辛辣で熱い視線を向け続けたのはエリート公務員男性(23歳・未婚)———漫画原作

「逃げ恥」の2人を10倍めんどくさくして歪ませたような話。

さらに目を背けたくなる『孤独死』『終活』『生きる意味』『老後の不安、不安、不安、不安…』を全部曝け出したブラックさに趣向を凝らしたポップな演出が光るブラックポップドラマ。

麿赤兒さんも暗黒舞踏家として一役買い、お母さん役の松坂慶子さんも専業主婦でヒップホップでサイコパス。
ラップシーンの演出はダサいけど、綾瀬はるかさんのヒップホップファッションがかわいすぎ。ウエストの細さがダンサー並!

そんなコスプレのおかげもあって終始明るい雰囲気だけど、佐野勇斗さんの毒親の両親からの影響がテンプレじゃなくリアルなことが特筆。
尺的に仕方ないけど、正直もう一歩家族の内側まで踏み込んで欲しかった……🥺

でも、正しいか間違ってるかは実はどうでもよくて、自分のことをそこまで深く考えてくれた時間への喜びや自分のために真剣に怒ってくれた嬉しさなんて、男女の好意ではなく人類の調和が描かれてラストは爽やかな感動を運んできた。万博!
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