まる

Nのためにのまるのネタバレレビュー・内容・結末

Nのために(2014年製作のドラマ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

「あの時、大切な人のことだけ考えた。大切な人が一番傷つかない方法を考えた。」


2014年当時は自分が幼くただ重いドラマとして観ていたが改めてみるととんでもない名作。(重いのは変わらない)


基本どの話も過去、現在、未来すべてが練り込まれている。
伏線があまりにも多いので少し「?」の場面も多い。

全話を通して"現在に起こった事件の真相"が明らかになっていく話ではあるが、過去現在未来どの話も面白い。

毎話ごと斜め上の展開があり、かつ事件の真相に着実と進んでいっているので観ていて本当に飽きない。

重いだけでなく、明るいシーンや恋愛模様も描かれているので魅力が多い、、!


最近伏線の多い考察系ドラマのいまいち納得出来ない終わり方の作品が多々あるが、この作品ほど全ての伏線を回収し、期待以上の最終回をくれるものはないと思う。


【最終回】
その場にいた全員が大切な人だけを想った結果の悲劇。
成瀬くんが黙って杉下の手を握るシーンと過去の事件のリンクのさせ方が美しすぎる、、!

観た人はその場にいた人のNが分かると思うが、私は西崎のNがナオコか自分自身かどちらかまだ悩んでいる。

「その人のためなら人殺しにもなれる」

とあるのでナオコをNと思うのは分かるが、
①西崎自身の過去の罪を償いたい
②ナオコに愛されてなかった事実からの逃避、ついた嘘を事実にしたかった
の2つの理由からあれ、自分のためか?とも思った。

ナオコを犯罪者にしたくないという発言もあるのでナオコ説もあるけども。


安藤は最後まで何も知らずに、知らされずに終わったなあ。
安藤は辛かったと思うけどそれで良かった。


安藤と杉下の電話のシーンは泣ける。
安藤が今をそこそこ楽しく生きてるってセリフは、あの時杉下がした(してしまった)行動の肯定に繋がる。

杉下が近いうち死ぬことも知らず、安藤は安藤らしく真っ直ぐ生きて、もしかしたら誰かと結婚するかもしれない。
杉下と安藤はもう会うことはないのかと思うと切ない。
話が重すぎてそれどこじゃなかったが、結婚を決め10年間待ち続けた安藤を称えたい。それだけでドラマ一つ作れそう。


杉下にとって安藤の幸せだけは守りたかったんだろう。


そして、唯一守ってもらえる存在の成瀬くんのもとへ帰った。


島という限られた地域の人の怖さ、優しさと島の美しさがとても良い味を出していた。


何度でも観る。
まる

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