甲冑

アオイホノオの甲冑のレビュー・感想・評価

アオイホノオ(2014年製作のドラマ)
4.0
今見返して『エヴァ』よりも感動するのは『オネアミス』や『トップ』だったりするのだが、それは庵野秀明、赤井孝美、山賀博之の大阪芸大出身者とSF大会を運営していた岡田斗司夫らによるDAICON(大阪SF大会)FILM〜初代ガイナックスにかけての、時代の使命を帯びてしまった若者たちによる何を犠牲にしても凄いものを作らねばならないという気概を感じるからである。この使命というのは小説でしかなかったSFをアニメーションでいかに表現し得るかという事で、しかもそれは先人の化物クリエイター(手塚、富野、高畑、宮崎…等々)を踏まえた上での次世代の表現。そりゃ大変。

なので島本和彦のエピソードも十分に面白いのだが、やはりDAICON FILM形成に至る流れや岡田の豪邸に招かれ「ジョージ・ルーカスも驚くものを作らないと意味がないやろ」と鼓舞する場面や、DAICON3が開かれた時の状況なんかが個人的には面白くて仕方ない。極め付けは手塚治虫も招いていたというオーガナイズ力に驚く。しかもそこで手塚の勧誘も受けているが虫プロの惨状は情報として伝わっていたらしく誰も乗っていない(この作品とは別だが虫プロのアニメ制作期の地獄話も本当に酷くて好きだ)。

こうして改めて観ると、庵野、赤井、山賀の才能を開かせたのは岡田家の潤沢な資本(ラコステなどのパチモンで大当てした岡田刺繍の財力)と環境(多くのクリエイターが寝泊りできる広々とした部屋、岡田の大量の書籍と圧倒的教養、プロジェクター設備など)であり、昔は大芸に才能が集まったのかなと漠然と思っていたが岡田の存在が非常に大きいと感じる。