天才物理学者・湯川学、通称ガリレオ。原作にはなかった女性刑事・内海薫というワトソン役をパートナーにあらゆる難事件解決に挑む福山雅治主演作品の中での最高傑作。
私柴咲コウのファンでもあるんですが、「オレンジデイズ」に並ぶ彼女の可愛さが最高級に出ている作品でもあります。原作もドラマも映画もこのシリーズは大好きです。
第1章「燃える」もえる
ゲスト:唐沢寿明
突然人が自然発火して亡くなった怪事件を追う。
ドラマの1話目としては最高の駆け出し。もちろん原作「探偵ガリレオ」でも最初のエピソードではありますが、ドラマの世界観に引き込むにはわかりやすく、キャラの魅力も十分。
ゲストの唐沢寿明の表情の繊細な変化が印象的。湯川と内海の出会いとこれからのバディ作品としての楽しみが募るエピソード。
第2章「離脱る」ぬける
ゲスト:小市慢太郎、虻川美穂子
熱を出して寝込む子供が幽体離脱して見えないはずの場所に赤い車が止まっているのを見る。ありえない現象ではあるが、そこには赤い車のスケッチがあった。近くで起きた殺人事件のアリバイを裏付ける証拠となりうる怪現象の真相を追う。
子供と見つめ合うと蕁麻疹が出るという湯川のキャラクターが面白い。
第3章「騒霊ぐ」さわぐ
ゲスト:広末涼子
広末涼子演じる弥生の夫が事件に巻き込まれたかもしれない。とある一軒家に拉致監禁された可能性があるが、そこにはポルターガイスト現象が…。
内海と弥生の女同士のぶつかり合いが見応えあり。ラストのおにぎりのくだりは最高に感動的。エピソード以上に2人の今後の関係性が気になっていく内容です。
第4章「壊死る」くさる
ゲスト:香取慎吾
ある豪邸で発見された水死体。胸には不自然な壊死が見られた。
天才物理学者vs天才大学院研究生の戦い。残念ながらSMAP騒動のせいか、日本映画専門チャンネルでは放送されず…
第5章「絞殺る」しめる
ゲスト:大後寿々花、水野美紀
ホテルで起きた密室事件。目撃者の証言によると火の玉が飛んでいたという。
学生に好きと迫られる湯川、その現場を目撃し焦る内海という構図が面白い。結局は早とちり。早とちりって響きなんだか可愛らしいですよね(笑)
ホテルのベッドで現場の再現を謀る湯川と内海。その密室での距離感がまたドキドキ。
第6章「夢想る」ゆめみる
ゲスト:堀北真希
内海の幼馴染が起こした猟銃発砲事件。堀北真希演じる森崎礼美の家に侵入者が。侵入者は逃亡中。実はこの事件は予知夢により引き起こされた怪現象が関わっていた。
これも芸能界を引退している堀北真希出演が関係しているのか日本映画専門チャンネルでは放送されず…→出演者の新井浩文が関係していたようですね…
第7章「予知る」しる
ゲスト:深田恭子、塚地武雅
湯川の助手・栗林(渡辺いっけい)の同級生菅原が目撃した向かいのマンションでの首吊り自殺。ただそれは1週間前にも同じ光景を見たという予知があった。
突然全力疾走する湯川には笑いました。金に執着する美人というイメージとは異なる深田恭子の新境地も見応えありましたが、ラストの湯川、栗林、菅原の3人の男の友情的な演出が好きでした。
第8章「霊視る」みえる
ゲスト:釈由美子
とある料理教室で起きた殺人事件。いわゆるストーカー殺人事件だと思われるも不審な点が。それは死体がテレポーテーションしたというのだ。
事件の被害者の妹役で釈由美子がゲスト。
どこでもドアの構造を真剣に考える湯川、ゼミの学生たちについに頭がいかれたかと噂される構図が面白いですね。
ラストの料理を作る内海が下手くそすぎて、本来柴咲コウはかなりの料理上手なのでこのギャップがウケましたね。
第9章・最終章「爆ぜる」はぜる
ゲスト:久米宏
中学の文化祭であまりにもリアルなデスマスクの展示物が。これが草薙(北村一輝)の管轄の龍仁湖で起きた爆発事故と密接に繋がっていた。さらには湯川の恩師・木島(久米宏)の存在が浮かび上がり…
前編・後編2部構成でのエピソードで小説の「爆ぜる」と「転写る(うつる)」を組み合わせたプロットになってますが、大好きなこのガリレオシリーズにあって最悪な実写化となったのがこの最終エピソード。
はっきり言って小説の内容とは大きく改変されており、終盤の爆弾のシーンからは完全に興醒め。これまで現実世界でもリアルに起こり得るかもしれないという想像力を掻き立てられる内容が良かったのに、いきなりぶっ飛んだ内容になってしまいました。
またいくつかの事件において自らは手を下さない木島という狡猾かつ知的な人間が最後に行う手段としてあまりにも稚拙で自分勝手、科学者とは名ばかりのような演出・脚本でした。
本シリーズを通して、内海薫というガリレオのパートナーを生み出し、その後の小説続編にもレギュラー化させるという逆輸入にも成功させた傑作。最終話を除き、2人のやり取りから面白く練られた東野圭吾原作だからこそできる事件の数々まで目が離せません。