ひば

ラストホープのひばのレビュー・感想・評価

ラストホープ(2013年製作のドラマ)
4.5
『知りすぎた男』の歌って何かと思ったら「ケセラセラ」だったの今気付いたよ。
相葉ちゃんのいつもニコニコしてるっていうパブリックイメージから"なんか装ってる感じがする"を抽出して根本的に好い人には違いないんだけど「彼のシナリオ通り。ほんとその笑顔だめ。その白々しさが鼻について仕方ない」って言われる役にしたのすごく良いなって思った。何も隠してないけどどこか胡散臭いっていう。時代遅れな描写も目立つけど(まぁこれはしょうがない)、なんかそういうのもあって珍しくまた見たいなって思ってて。けっこう見にくいドラマなのよタイムラインが飛びまくるから。でもやっぱり相葉さんなんですよ嵐ファンのわたしが言ってもなんの説得力もないと思うけど。相葉ちゃんが演じてる波多野先生ってすごくいい人だしこの人が主治医だったら恵まれてるって思うけどその姿勢を客観的に見ると自分にできる最大限のことをしてるって感じで患者に寄り添うって姿勢はそこまで感じないというか、その姿勢はむしろ周りの一癖二癖ある周りの医者が担ってる。波多野先生が主人公だけど一番若いのが多部ちゃんの役で若さや未熟の象徴とされてるのが面白いと思う。2話目にして想定外の方向で人が死ぬ。人は突然死ぬ。彼女は「一人にするな」と何度も訴える。波多野先生はその横で何も言わずに見ているだけ。手術で義関節が邪魔してるって話で波多野先生が「骨砕けばいいんじゃないんですか?」って言った後に『エクソシスト』にそっくりなメロディーが流れて吹き出しそうになったのに「お前患者に骨折しろって言うのか!」って反論入るけどその路線で骨粉砕する方向に進んであれギャグじゃなくてシリアスのテーマだったんだって吹き出してしまった。相葉ちゃん自身ほんとに優しくて心からいい人なんだけど、時間制限下で追い詰められたとき、家にある物しりとりの"ち"を「血出して!」って指を切れジェスチャーした人なんだよ、なんか突然そういうとこある人、そういうとこ買ってるドラマな気がする。まぁでもわたしの知る限り一番あの陽のイメージ塊いつもキラキラしてるダンスサークルの先輩みたいな相葉さんのリアコになってしまう率が高くて、「こうやって距離を縮めようとするといつも逃げる」なんて言われてみなさいよ。そうやって優しさに紛れて確信を見せるからドキッともするし甘えたくなってしまうキャラクターなのよね。けどふとした時の冷たい顔は本当に冷たく映る。それがけっこうショック。だってそんな顔するわけないって勝手にイメージを重ねた上でのショックだもん。奥行きが生まれるの、やっぱりこれはパブイメあってこその勝利だなと思う。
不思議だねえ。嵐ファンなのにこれがメンバー作の初レビューとは。嵐がゴリゴリのロック歌ってたのも珍しいし。日本の医療は終わってる前提のドラマだから最後の足掻きを見せられるのはけっこう面白いし。嵐って人気者になった一方でお茶の間に馴染み過ぎた結果、害でもなければ特に言及する程でもない存在になってしまった。そこはファンだけじゃ担えない。でもそれをわかった上で切り込んでると見えたのでこの作品は相葉ちゃんに星4つくらいあげちゃう。相葉雅紀にすこぶる偏執的になってしまった松本潤ファンのレビュー
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