白音

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまでの白音のレビュー・感想・評価

4.0
葛藤が上手く表現されていた。

山に囲まれ人の出入りも少なく閉鎖された空間。見渡す限りの山。どこもかしこも知り合い。ここから抜け出したい。外の世界へ。このトンネルを抜けた先には外の世界がある。

きっと、どこの地域にも根強くあるはずだ…
学校に行かなければ行けない、不登校には救済処置が無い。行けない人は罪悪感を抱き続け、内側に居る人間は何とか引っ張り出したいと思うものの、接し方が分からず。
それで良いんだよ、別の方法もあるよ。そんな方法が開拓されていたら、どんなに救われる子がここには沢山居た事か……
時は現代。救済処置が開拓されて欲しい…

それでも、そんな過去がありもがき苦しんだからこそ、キャラクターの心情を上手く描ける作家さんが出来ていったのだろな……

私は心から主人公に有難うって言いたいです。
自分と重なる部分が沢山あり、外の世界へ出たけれど夢は叶えられなかったけれど、ここまで秩父を有名にしてくれて本当に有難う。
遠く離れた場所から故郷をテレビで見れる様になったのは、岡田さんの頑張りもあったから。

あの苦しみがあったから今が頑張れている。あの時の不登校だった自分を否定しないで受け止めて沢山頭を撫でて欲しい。

「あの花」も「ここさけ」も。岡田さんの他の作品も岡田さんが書いていたと知らずに沢山見て来ました。今でも葛藤し続けながら、岡田さんにしか書けない世界を書いて、またどこかで、岡田さんが書いてた脚本だったんだ…と出会えますように。
白音

白音