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平清盛のゲルトのレビュー・感想・評価

平清盛(2012年製作のドラマ)
3.0
局所的な良さがたくさんあるだけに、全体的に大変残念な出来栄えの作品。
脚本は破綻しているし、松山ケンイチのミスキャスト感は終始拭えない。音楽も扮装も演出のケレン味も良かったのに、その二つで全て台無しになっている。
清盛が乱用する「おもしろきこと」や「心の軸」、「守りたいもの」といった言葉には最後まで中身がなかった。それはそのままドラマの完成度にも表れている。
清盛が崇徳上皇と鳥羽法皇の対立に首を突っ込んだあげく、何もできずに上皇を見限るシーンのやり取りは噴飯もので、視聴者として作品に期待するのを諦める決定打にもなった。
「海の底の民」だとか「清盛クラスタ」だとか宣ってTwitter上ではしゃいでる人たちは、多分楽しみ方がシナリオよりはキャラ萌えに寄っているんだと思う。
そういう点では、歴代の大河でも珍しいくらい役とマッチする俳優が多かった。
個人的には義朝役の玉木宏が一番好み。
対する清盛は松山より弁慶役の青木崇高で観たかった。
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