ダミアン君に恋してる

ベイツ・モーテル シーズン3のダミアン君に恋してるのレビュー・感想・評価

ベイツ・モーテル シーズン3(2015年製作のドラマ)
5.0
ネタバレ注意⚠


ついに待ってましたの展開がやってきましたね…これですよ、これを待ち望んでいたのですよ。

\\ノーママン覚醒*☆//

ノーマ、ではありません。
ママ化、ノーママンです!!!!!

最終話が凄いことになっている。観てるこちらも放心状態。キタよキタよ…って感じ。あのシーン、映画と一緒でドキッとしたなぁ。

実は前々からブラッドリーの存在がやけに鼻についていたんだけど、シーズン3を終えた今、私は更にあることに気づかされたわけ。

私はどうもノーマ、ノーマンから見たノーマに感情移入しているらしい。すなわち、彼の裏の心、ノーマンの心の影に潜むもう一人のノーマ(ノーマン)と同化しているように感じてちょっと怖くなった。

"コレデ ジャマ ガ イナクナッタ"

私自身の心もそう囁いていた…

方々で書かれているノーマのノーマンに対する支配欲についてだけれど、私はそんな風には思わず、母親として息子を心配するあまり過保護になり過ぎているだけに思えるんだよね。それに対するノーマンの純粋で心優しい性格が過剰に物事を受け取りすぎてしまって、互いを誰よりも想いつつも、不安と怒りに負けてどんどん関係がねじれていってしまっているだけ…

でもこれって、全然変な事なんかじゃないと思う。どんな家庭だってきっとこういう事あるよ。何もベイツファミリーだけが特別なわけじゃない。結局は絆で元通りになるんだろうし。

親子が想い合うのって、全然おかしくなんかないし、行き過ぎとかそういう基準すらもともと無い気がする。だって考えてみて、誰もが皆、母親のお腹の中で生命を誕生させてるんだよ。皆、母親と一つだったんだよ。その神秘を考えてみて…

それを踏まえた上でこの物語を見ると、どんなに酷い事でも不思議と共感できるから。

私の家庭もどちらかと言えば過保護だった。たぶん、過保護すぎるレベル。両親は私を大事に大事に育ててくれた。

だからっていうわけじゃないけど、ノーマンの、母親から離れたくても離れられないその気持ち、良く分かる。友達よりも家族が大事なその気持ちも。ノーマンみたいに強迫観念は無いけど…。私も恋愛に親が絡んで大変な結末になってしまった過去がある。しかも血みどろ要素まで…私の精神も大きく崩壊していた時期だったな。

ノーマン・ベイツが猟奇殺人鬼になってしまった過程は、彼がもともと生まれもったものにあるのか、はたまた、彼が育った環境にあるのか…それは議論の域を出ないらしいね。私もそれはどちらか良く分からない。

ノーマンはね、ただただ、母親に愛されたいだけなんだよ。愛されたいし、自分の愛も受け取って欲しい。自分からだけの 愛を…。

でも現実は自分の思う通りにいかない。だから彼は自分が幸せになれる世界を作り上げてしまった。無意識のうちに…。自分を守るそれが他人を傷つけることになろうとは、本人が一番望んでいなかったのに。

自制のきかない精神崩壊、怖いね。どんなお化けよりもそういう人間が一番怖い。やっぱり世間一般、人を殺してしまう人って大半が心を患っているでしょうね。自分が何をしているか分かっていない。

ノーマンの場合、親しい人を手にかけちゃうから辛くて見ていられない。彼にも人間性はあるし、絶対的な悪人ではないのに、病気のせいであんななっちゃって…本当に可哀想。

ホラー映画に出てくる殺人鬼って、はい生まれながらの殺人鬼ですよ~じゃじゃ~ん!って軽い扱いのされ方が多いじゃない?悪役の過去に何があったかまで詳細に描かれてないし、物語的に必要無かったりするし。

でも、このドラマを観ていると、一人の殺人鬼を人間的に奥深くまで掘り下げてくれていて、心理学的にみても大変興味深い。

映画の中の殺人鬼として描かれている人物の"殺人鬼じゃない部分"が多く語られているように思えて、そこがすごく好きなところ。善も悪も、もともとは一緒でただのコインの裏表だっていうことだね。

ノーマンをみていると、誰の身近にも潜んでいるダークな部分というものが浮き彫りになっていくようで、非常にゾワゾワした感覚を覚える。

一体何が原因で一線を越すかのか越さないのか…それが分かっていればきっと、こうはなっていない。物語の中の誰もが皆、越えてはいけないボーダーラインを心得ていないからこそ、取り返しがつかないほど破滅していってしまうのだろう。

誰もが皆、正常と異常の境界線をはかることはできないんじゃないかな。

この後どんな結末を迎えようと、ノーマとノーマンの関係はエスカレートしていって欲しい♡

世界の終わりに咲く、憎いほどに美しい一輪の花。

いっそのこと二人、心だけじゃなく、身までも交わってしまえばいい。不謹慎ながらそう願ってしまう自分がいる。

ノーマとノーマンが互いを求め合っている場面を想像してドキドキしてしまうこの気持ちは一体なんだ…自分でも良く分からない…