【記録】
Fuck!Society!これはデジタル・ネイチャー時代の『ファイト・クラブ』。
天才ハッカーの物語と思って見ると肩透かしを食らう、今作は、成熟社会の裏腹に複雑化・異常に煩雑化した(誰かが決めた)社会のシステムに欺瞞を感じた主人公が革命をするまで、またその社会において辛うじて生存可能な「自分」を見つけるまでの物語だと思いました。
今作における「世界」は、その主人公の視点から見た世界であり、全てが彼の心象風景。この欺瞞に満ちた世界は常に曇天で、画面の半分以上を占める「空白」はこの世界の虚構さを際立てます。