何もかもが究極的

MR.ROBOT/ミスター・ロボット シーズン1の何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

5.0
悪い事を悪い。良い事は良いと描いていない。登場人物の主観が、このドラマの正義であって、彼が犯罪を犯そうが悪い事だとは描かずただのドラマ常に日常感覚に近い出来事として描く。
それがとても新鮮であり、物事に白黒つける事が異常な行いに思えてくる。
人は個人の主観によって物事を見るわけだから、一人一人が自分の正義といった価値観を持っている。だから他人から押し付けられたこれが良い事、悪い事といった価値観に納得しないのは当たり前の事だ。
もし他人を納得させたければ、それなりの説得力がいる。
みんなもこう思ってるよね、と胡座をかいた姿勢で映像作品は作られがちだが、価値観の押し売りを芸術と履き違えているだけで、それではただの独りよがりにすぎない。人を説得できるだけの材料を見つけるか、人が個人個人で考えられるだけの幅を持った価値観で作品を作るべきだ。