岡本太郎という人間がどのような幼少期そして青春時代を経て、岡本太郎になったのか。それを知ることのできるドラマです。
本作品は、NHK総合テレビジョンの「土曜ドラマ」で2011年2月26日から同年4月2日まで放送された、全4回の連続ドラマ。
僕が岡本太郎を知ったのは、大学生になり始めて間もない頃だった。Amazonで1円売られていた『自分の中に毒を持て』を買って、風呂場で開いたのが僕と岡本太郎のはじめての出会い。
衝撃を受けた。高校生時代からの精神病に付き合い、疲労困憊し、「傷つかない生き方」を探していた自分には重いパンチだった。しかし、同時に温かく、背中を押してくれるようなパンチだった。
「もっと傷つくことを要求し、もっと自分を曝け出し、弱い自分のまま生きろ」
そんな本だ。
そんな初対面から5年経った今、"岡本太郎のことならある程度知っている"と思っていた。『自分の中に毒を持て』は外国を放浪するときはいつもバックパックにいれていたし、パリに滞在した計1年2ヶ月の間もずっと持っていた。
川崎と青山にある施設も訪問したし、Youtube上の岡本太郎の動画は全部観た。彼の著作も図書館でよく読んだ。彼が滞在していた1930年から1940年の雰囲気とは大きく違えども、パリの風も感じに訪れた。
そんな岡本太郎ファンの僕でも、本作品は目から鱗が落ちるぐらい、素晴らしいものだった。
少し掘っただけでは本当の理解には到達できない、それが岡本太郎だ。
ぜひ皆様にもご覧になっていただきたいと心から思います。