ソラアユム

コブラ会 シーズン3のソラアユムのレビュー・感想・評価

コブラ会 シーズン3(2021年製作のドラマ)
4.0
『良いセンセイでも、良い父親でもなかった。でも、子供たちに人生の生き方を教えられる…』


『ベスト・キッド』の後日譚で、ミヤギ道の宿命のライバル道場であるコブラ会にスポットを当てたドラマシリーズ第3弾

S1、S2に比べると若干面白さは半減しているように感じる。

物語の中心人物であったミゲルが一時退場し、ストーリーの推進力が損なわれたこと、それに伴って子供世代ではなく大人世代にスポットが当てられたこと。それにしたがって、S2まで見られた良い意味でのバカっぽさやカラッとしストーリー展開から打って変わって非常にウェットな作品となっている。クリーズの「No mercy」な考え方、コブラ会のルーツを知れたのは良かったが…

S1、2でも見られた今シリーズの悪癖がより目立つようになったと思う。
ミヤギ道とコブラ会の対立=ダニエルとジョニーの対決という構図が、S2のクライマックス~S3の序盤で崩れたことによって、過去から続く因縁、解り合えぬ存在同士の喧嘩という言い訳が今作では通じなくなっている。特に、ジョン・クリーズ率いる新生コブラ会の悪行が喧嘩や悪戯を通り越して、ただの犯罪行為になっているのは看過しがたい。S2までは、「勘違い」「すれ違い」によって対決・喧嘩が起こっていた。S2の終了時点でこの「当事者同士が核心的な事実を相手に伝えきれない」ことで争いを起こさせるストーリー展開は臨界点を迎えてしまっており、正直これ以上できないと私は思っている。今作はというと、特に何の理由もなく、一方的にコブラ会がミヤギ道の門下生を襲うような展開が多く、シリーズ通して見え隠れしていたストーリー展開の粗雑さが目立っているように感じる。

とはいえ、ミゲル復活からの流れで何とか面白さは保てている。
S3最終話は予想通りだけれど、最高に熱い展開だった。おそらくS4が最終シーズンになるのだろう。後は、ミヤギ道とコブラ会の行く末を見守るのみ。頑張れ!ダニエル!ジョニー!ミゲル!あとロビーはミゲルに謝れ!!!