ワンダフルデイズモーニング

曲げられない女のワンダフルデイズモーニングのレビュー・感想・評価

曲げられない女(2010年製作のドラマ)
-
過酷…ただただ淡々と過酷……
ライトなタッチであれど現代においてヨブ記に接近する。。

菅野美穂演じるサキ、クソやばい人でしかない。「シャッターが開く」と表現される毎度のブチギレはドラマの主人公補正みたいなものがかかっているから、言い換えれば「ドラマのキャラクターだから」視聴者がフィクションの一線を引くことでストレスなく観ることができるもっといえば感動すらできるんだと思うけど、もしもそれらを取っ払った時、もしも自分の身の回りに実際にいるとしたならば、その多くに敬遠されるタイプの人間だと思う。

作者も敬遠というのはそのように表しているだろうがおそらく思想を根拠としている。しかし敬遠される要因たるのは彼女の思想というより態度だ。
「シャッターを開く」時の菅野美穂の演技の素晴らしき苛烈さが、毎度フィクションに呑みこまれかかる私の肩をギュッと握り締め正常にしてくれる。「ヤバっ!!」と。だけどそれでいいのだ。彼女はヤバくて、敬遠されていて、腫れ物で、変われなくて、曲げられなくて、いいのだ。周りだけが変わり、曲げられていく。無理が通る。さりとて道理だけはひっこまない。そういう話だ。過酷だ。学ぶことはない。ただ面白いだけだ。