このレビューはネタバレを含みます
観始めた瞬間から、ゴンゾウが頭に浮かんだ。
倉石のキャラクター設定や背景が、ゴンゾウの黒木とダブる。
第9話にてゴンゾウでの部下役を演じていた吉本菜穂子との共演シーンで、あれどこかで会ったことありませんか?というセリフを内野聖陽が吐くのだが、これはゴンゾウを観ていた人にはたまらない。
クスっとなります。
まるで水戸黄門のように、定番のセリフ、そして絶対的に見立てを外さない安心のヒーロー、こういう大船に乗って悠々と安心して観れるドラマはたまには良い。
最終話に17年前の事件の真相が明らかになり、かつての犯人の奥さんを殺害した小学校の校長を演じる大杉漣の演技が素晴らしい。遺族には時効なんていうものは存在せず、永遠に続く苦しみの中で、憎しみを抱えながら生きてきた人間の悲痛な声に、涙が止まらなかった。
ラストに、幸せそうな、今は亡き妻と寄り添う倉石の幻想のシーンがまた涙を誘う。
人情味溢れる、それぞれの貫きを描いたドラマでした。