いよら

七日の王妃のいよらのレビュー・感想・評価

七日の王妃(2017年製作のドラマ)
4.0
このドラマは結構前から知ってはいたんですけど、タイトルから悲恋ものに違いないよなぁって思ってて視聴を躊躇っていたんです。
でも『39歳』でヨン・ウジン見て、もう少し見たいなぁと思ったのと、やっぱり評判も良かったので、見てみることにしました。

7日間だけ王妃になった実在の人物であるシン・チェギョンという女性の物語です。
といっても、歴史書にも7日だけの王妃ってあるだけらしいので、それ以外の部分はフィクション。燕山君の統治下。その義弟の晋城大君(チンソンテグン)とその妻となるシン・チェギョンのラブストーリーです。

燕山君といえば、光海君と並んで、暴君だったと言われる王様です。いや、1番の暴君だったのかな?
そんな暴君が治める国を民たちを、どうにかして救いたいと思って密かに反旗を翻そうとするのが晋城大君(チンソンテグン)。
でも想い人は、燕山君の重臣である左議政の娘のシン・チェギョンなので、2人の間にはかなり大きな障害が付きまといます。しかも燕山君の王妃はチェギョンの叔母にあたる人という。

2人の出会いはドラマチック(まぁ、ドラマですからね)。最初は反発しあってというところからのありきたりな感じでもありますが、子役の2人が丁寧に演じていて、とても良かったです。そのあと、晋城大君がある事情で流刑になるところは、もう見てて辛かったですね。2人の想いがわかるからこそ。子役の2人がホントに上手いんですよね。
大人パートになっても前半は比較的コメディ要素もあったりして楽しめました。やはり後半はかなり辛かったですけどね。でも、それでも2人の想いが丁寧に描かれていたし、どちらの想いもわかるんですよね。時代だったり、周りの影響だったり、立場のせいだったりして、思い通りにならない2人の関係ですが、とても良かったです。本当は、幸せな結末っていうのを望みますけど、史実ですからそこは流石に…。
全体的に切ないですね。途中、苦しくて視聴をやめそうになったけど、最後はとても綺麗で、見て良かったなぁと思うドラマでした。


このドラマの晋城大君という役は、ヨン・ウジンの今まで見た役よりも感情的な役でしたね。王子っていう立場なわけなので、理性的かと思いきや、感情的に突っ走ってしまうことが多かったです。でも決してダメな感じではなく、どちらかというと、仲間を見捨てられなかったり、立場よりも愛を優先するような情熱的なタイプっていうのかな、そんな感じでした。
だから、結構積極的にアプローチもします。想いを伝えることを途中からは躊躇わないんですよね。ストレートに言葉にするってなかなかできることじゃないので、カッコよかったですね。
でも、だからこそ、仲間と愛する人との間で板挟みになってしまうんですよね。仲間や民を思っての行動が必ずしもチェギョンのためになるとは限らないし、チェギョンを大切に思うゆえの嘘が2人の間に溝を作ることになったりもしてしまいます。
ヨンウジンの笑顔に癒されて、涙に切なくなりました。

パク・ミニョンもチェギョン役がハマっていてとても良かったです。天真爛漫な感じから、愛する男性と愛する家族の間で苦しむことになる展開が辛いです。どっちも大切なのに、どっちかしか選べないっていうのは辛いですね。そして晋城大君を守るためにする決断もね。
2人の作る雰囲気がとても自然で互いを思い合っている感じが出てて好きでした。可愛い感じのラブシーンから切ない展開まで、どっちも良かったです。

燕山君を演じたイ・ドンゴンさん。あまり得意な俳優さんではないですし、演じている燕山君自体がかなりの暴君で憎らしいのでどうしてもイライラしてしまうんですけど、これだけ憎らしい燕山君というキャラクターを作り上げたことが凄いなあと思います。あまりこの時代のドラマを見てないので他の人が演じた燕山君は知らないので何とも比べられないんですけど、時代劇初挑戦とは思えないくらいハマってたと思います。
インタビューでサイコパスでソシオパスな人物だと思って演じたと言っていたんですけど、確かにそんな感じの人物に見えました。
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