たかさき

エージェント・オブ・シールド ファイナル・シーズンのたかさきのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ありがとう、エージェント・オブ・シールド。
凄かった。一緒に歩めて良かった。
お疲れ様でした。

過去シーズンのキャラクターの若かりし頃との邂逅に、ドラマ『エージェント・カーター』からのゲスト出演、在りし日の親との再会、量子トンネルを通じた時間軸移動…集大成のエージェント・オブ・シールドのフィナーレは、時と舞台の枠から解き放たれた「エージェント・オブ・シールド版エンドゲーム 」の様相。

ナサニエル・マリックをヴィランに据えたり、若かりし頃のギャレットに、アフターライフに、トリスケリオンに、インサイト計画に、懐かしの武器に、最後はヴィクトリア・ハンドも…「ニューヨーク大戦の時にストーンが3つ揃っていた?!」という驚きに似た、シリーズを全て見通した重厚なアーカイブのパズルの強み、要素抽出の面白さも『エンドゲーム』を彷彿とさせた。


それにしても、シーズンフィナーレ、面白くて最高でしたね。今後、ドラマ『ロキ』で描かれるであろう、分岐していく時間軸を突き進む「こうなりゃ何でもありだ」というパワーで駆け抜けた傑作シーズンだった。



シーズン6の感想を見返してみると…思ったよりもなかなかの辛口レビューで、(それは主にシーズン全体の話運びについてではありますが)特に僕はラスト、LMDというコールソンのアイデンティティーに失望していました。彼の死を今さら際立たせて、虚しいだけだと。


しかし、そんな斜に構えた理性を吹き飛ばす、クラーク・グレッグと村治学の愛嬌溢れる演技力に、まんまと「お帰りコールソン」状態。愛らしく頼もしいシールドの柱、そうだった、彼のいるこのドラマが好きだったのだ。中身の同じ、衰えのない肉体を手に入れて、我らが長官は“神話”的なモノへと昇華されていった。「死ぬことがスーパーパワー」という、このドラマを表すこれ以上ないセリフに拍手。

メイの唐突な能力付与も、悪目立ちせずストーリーには不可欠で、バランスも良かったと思います。満を辞して希望と共に現れる「騎兵隊」にガッツポーズ。そして、ハグのシーンも良かった。


全編モノクロにしたり、懐かしのスプラッター映画をオマージュしたりと、時間軸移動のフリーダムさを活かしつつ、ほぼオムニバス形式で遊び心が詰め込まれる。演出からも「やり残さんぞ」という気概を感じるシーズンでした。かなり近い構成ではありましたが、『レジェンド・オブ・トゥモロー』同様に、タイムループ回は大好物でした。


今回はMCUとの整合性が要らない舞台設定というのもありますが、MCUとの繋がりを抜きして、このキャラクターたちの物語を追いかけたい!と思える魅力の熟成を感じて感慨深い。ここまで積み重ねてきた、このドラマにしかない魅力だけで突き進むのだ。最後に椅子を並べて語らった、このチームの魅力だ。このドラマが産んだ、唯一無二の。

と言いつつ、「ブルースバナー」や「ザンダー星」といったストレートなセリフの引用で、ちょこちょこ痺れさせてくれる。いや〜それにしても最終話、マックのヘリキャリア&メイのアカデミー…落とし所が最高。

元々はMCUを“補完する”ような立ち位置としてのスピンオフだった作品が、今やMCUの要素がこのドラマの世界観を“補完”してくれる、そんな逆転現象が起きている。勝ったのだ。
※MCUは別に敵でもなんでもないが、MCU側からのスルー具合を踏まえると「勝った」という表現をとりたくもなってしまう。笑

個人的には何度も見返すのではなく、一度きり、毎年噛み締めるように観ていたドラマだったので、最終話のエンドロールで久々に鳴り響くテーマに震える。何年も前にシーズン1を観た頃の懐かしさが溢れ出て、大きく拍手をしてしまいました。まだ大学入ったばかりだったな。長かったな〜。長い付き合いになりましたな…。8年か…。

万感。

拍手。

楽しかった。

ありがとう!最高!
たかさき

たかさき