フジテレビ開局50周年記念ドラマ第二弾。
独特のセリフの言い回しはもはや、山田先生の様式美。
やりとりの一語一語が完璧に計算されており、そこにアドリブの入る余地は全く無い。
ストーリーが動こうとする時、まさかの横展開はお見事。
たおやかな八千草薫の表情がとてもいい。
また、軽い話題的に出てくる志ん朝や志ん生が落語好きにはたまらない。
井川比佐志、風間杜夫の江戸弁チックなセリフも気持ちがいい。
さして重要ではないシーンだが、寿司の出前を取る取らないの、井川と加瀬と陣内の、なんでもないやりとりがとても自然でよかった。
田崎家と中城家の住まいの造り、特にキッチンの違いも凝っていて面白い。翔太の家と母親のアパートともに、ハエたたきが柱に掛かっている共通点に同じ家族と認識する。
それぞれの価値観をぶつけ合わせ、葛藤し乗り越えようとするポジティブさが登場人物みんなを応援したくなる。
特に、藤本のストーリーが、私とほんの一粒程度共通したので感情移入が高かった。
・将来?明日なんてどうなるかわからない!大事なのは今ではないのか!
・変じゃない人なんているの!?
・本当のどん底は、こんなもんじゃない!
といった内容のセリフに深い感銘を受けた。
あれ?(笑)これは奇遇ですねえ、安本刑事(別ドラマ)