たかさき

デアデビル シーズン3のたかさきのネタバレレビュー・内容・結末

デアデビル シーズン3(2018年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

本当にNetflix組ではレベルの桁が違う仕上がり。めちゃめちゃ面白い。「敵はマスクかぶるけど、最後まで主人公はお手製コスチュームのままじゃん」なアイアンフィストと、やってることは同じなのに、ここまで違うか。もちろん、ルークケイジ とアイアンフィストの打ち切りは悲しいですが、ぜひチームアップ作品として帰ってきてほしい。その時は、マスクも頼みます。

なんといってもブルズアイ。顎から溢れ出る「偽デアデビル」感が最高。彼の「投擲能力」はこんなにも“ネトフリドラマ映え”するんだね。多くの作品において「追い込まれた弱者が命からがら逃げつつ抵抗する」手段だった“ものを投げる”という行為が、その場の立地・シチュエーションを巧みに利用するテクニックとして描かれることに興奮した。「絶対当たる」だけなのに、マジでめっちゃカッコいい。

そして、なんといってもヴィランの描き方。ただのスーツ着た怪力大男を、ここまで魅力的に見せるってすごいよね。だって本編のほとんどが敬語(吹き替えで観たので)だし、とてもゆっくり動くし、本当に悲しそうな表情をする。そんな彼が“人間”を掌握していく様が、実に心地よい。釈放後のスピーチで、徐々に民衆がプラカードを降ろしていく演出…!!あそこにキングピンの全てが詰まっているように見える。

カレンの掘り下げも予想外だった。「巻き込まれた」から始まった、正義感の強い美人。マットも、フォギーも、視聴者も、そんな風に彼女を見ていたと思う。その彼女の影を共有することで、ようやく“3人の事務所”になる。フォギーの文字を見た瞬間、カレンと一緒に泣いた。チーム者として完璧じゃないか。んでこれまたフォギーの頼もしいこと!マット・フォギー・カレン、“正しさ”と正義と倫理と行動と、彼らのバランスが素晴らしくて…本当全員一緒にいなきゃダメなんだよ…最高のエンディングじゃんか…でもシリーズは続けてほしい…3人一緒にヘルズキッチンの巨悪と立ち向かってくれ…

そしてナディームというキャラも凄い。ブルズアイのオリジンを深め、FBIの腐敗を視聴者に導入しつつ、最後の勝利のキーパーソンとなった。なにより、ヒーロー作品における僕の性感帯「相手を信用してマスクを外す」シーンをやってのけた!あのデアデビルで!ディフェンダーズのメンバーやカレンに正体を明かすのとはわけが違うのだ。分かるでしょ?
主人公が犯罪を犯す。価値観の揺らぎを漂わせ、常に誰もが「正しいこと」に頭を悩ませるなかで、どれだけ手が血に染まろうとも、決して目から「善人」の光が消えることがなかった、そのジェイ・アリの演技に拍手を送りたい。マジであんた最高だ!


ともかくよ、シリーズ屈指の硬派さを保ちながら、アクション面では革命的な映像を見せつけつつ、コスチュームや設定のコミック感(ラストカットのブルズアイなど)を恥ずかしがらないところ、全てにおいて最高です。マジで。超良かった。MCU最高傑作(何本もあるけど)です。

ps.黒マスクの下に白ライン(白い布)、黒シャツの襟に赤いライン(下のシャツ)の衣装デザインした人、天才だろ。あの少しの追加で、グッとカッコよくなる。あれはマジで天才。全世界の人は“ああいう仕事”ができる大人を目指すべきです。
たかさき

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