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デアデビル シーズン1のlapin2004のネタバレレビュー・内容・結末

デアデビル シーズン1(2015年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

映画「デアデビル」(2003年)は「マトリックス」(1999年)を多分に意識したスタイリッシュな演出と音楽が印象的だが、そのオシャレな超感覚(レーダーセンス)の映像表現は一方で「見えとるようなもんやん」との思いも抱かせた。

本作では超感覚は主に鼓動を聴く事で嘘を見破ったりカーナビ的に(割と遠くにいる)人の移動を察知するために使われており、戦闘は非常に現実的で生々しいのが良い。常軌を逸した謎の男スティックに鍛えられたというバックボーンを抜きにしても「盲目だけど暗闇なら逆に有利だな」とか「親父がボクサーだからボクシングのトレーニングもしてたんだな」とか、「目は見えないが強い」という設定がすんなり入ってくる上手い作り。もっとも勝つには勝つが大きなダメージを負ってしまいがちなところでリアリティを感じている面もあるが。

また、暗黒街に君臨するヴィランであるウィルソン・フィスク。その過去や母親・恋人への愛情など人間性がしっかり尺をとって描かれており、他のアメコミヒーロー作品とは一線を画している。最後の最後でようやく麺屋コスチュームを脱ぎ捨てデアデビルと化したマットとの「ぶっ殺してやる…!」「やってみろ…!」からの肉弾バトルは興奮した。(「ダークナイトライジング」(2012年)のバットマンvsベインを彷彿)

昼は法律知識を武器に法廷で、そして夜は超感覚と格闘術を武器に街で悪と闘う盲目の弁護士、という独特なヒーロー像が透徹したリアリズムで描かれる本作品。そんな中唐突に現れる忍者とのバトルが実は一番お気に入りシーンだったりする(^_^;)
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