こたつむり

仮面ライダー電王のこたつむりのレビュー・感想・評価

仮面ライダー電王(2007年製作のドラマ)
4.0
佐藤健さんのデビュー作。
人格が入れ替わるという難易度の高い役柄を平然とこなしていますが…やはり、この人は天才ですね。本作以降の快進撃は当然の結果だと思います。

しかも、脚本は小林靖子さんという僥倖。
これも恵まれていますよね。確実に“持っている”俳優さんです。

ただ、そんな素晴らしい脚本も。
入り乱れた時間軸を解きほぐすには尺が足りなかった模様(と言っても全49回の長丁場なのですが)。正直なところ、メインターゲットである小学生低学年には難しい話でした(僕の理解力が小学生に劣るだけかも…ぐは)。

特に中村優一さんの役柄が難しい立ち位置。
深くまで考えると、とても切ないキャラクターなのですが、それを1回30分の番組で説明するのは至難の業。盛りに盛り過ぎた設定と言えましょう。

それでも、救いはデネブの存在。
後半は確実に癒しポイントなってくれますからね。仮面ライダーは1年間の長丁場。何が起きるか分からないから、それに合わせてアレンジする手腕が試されるのだと思います。

ただ、それでも挽回できなかったのが一点。
そう。白鳥百合子さんの降板です。
子供たちはヒーローや怪人に目を輝かせていれば良いのですが、保護者としては美麗な俳優さんを愛でるのも楽しみのひとつ。凛とした美しさが際立つ白鳥百合子さんは本作の目玉でしたからね。物語的に求心力を失った気がしたのも…僕の偏見ではないと思います。

まあ、そんなわけで。
佐藤健さんが入口で中村優一さんが出口、と女性陣が喜ぶ道筋が出来ている物語。扱っているテーマも切なさ満載だと思いますので、イケメンを堪能したい向きにオススメです。

あと、本作で言及したいのは主題歌。
AAAが歌う『Climax Jump』は間違いなく名曲。疾走感溢れるビートは、本作のイメージどおり。物語の詳細は忘れたとしても、この旋律は耳から離れないと思います。

余談ですが、この曲にはアレンジが色々とあり、その中にはキンタロスバージョンという一風変わったものも。迷走感に溢れていますが、噛み締めるとジワリと味が沁みこむ面白い曲です。
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