まりぽっさ

白夜行のまりぽっさのレビュー・感想・評価

白夜行(2006年製作のドラマ)
4.5
※原作小説既読

原作では描かれない亮司と雪穂の視点や心理を、原作の持つ雰囲気を壊さずに描いたのではなかろうか。
主題歌や挿入歌も非常にマッチしていて、タイトルから感じる「薄暗い中の世界」を際立たせたと思う。

当事者の心理描写は一切書かれていないことから、小説を読むと「亮司と雪穂の間に愛はあったのか」という疑問を感じるわけだが、二人が抱いた心の闇や葛藤を読者の想像に委ねることによって、二人の生き様の「妖しさ」みたいなものが増幅され、その世界観が際立つ。
ドラマではあえてココの部分を「愛があった」という解釈で描いていて、世界観が小さくまとまりそうな気がするのだけれど、全くそんなことなかった。もしかしたら、より視覚聴覚的に記憶されるドラマとしては、コレが正解なのかもしれない。
「亮司と雪穂をただのモンスターにしたくなかった」という監督の手腕、お見事。
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