SANUKIAQUA

ドラゴン桜のSANUKIAQUAのレビュー・感想・評価

ドラゴン桜(2021年製作のドラマ)
4.5
一作目があることをうまく利用した続編。
同じパターンだと安心感はあるけど
きっと前作は超えられない。
ガラッと変えると拒否反応が現れ
ドラゴン桜というドラマではなくなる。

生徒の勉強の仕方や家庭環境は
今風にバージョンアップし
半沢直樹的な大人のドロドロした部分を
付け加えた。

あの桜木でさえ、捨て鉢になる
という設定がミソで
それを救うのが水野を筆頭とした
教え子たちというのがいい。
最後の桜木の礼は良かった。

前作の弱さは学校の理事長や先生の
いい加減さで
今回はそこをちゃんとしてきた。
悪人だと思っていた人物が味方で
味方だと思っていた人物が敵。
生徒にも当てはまり
話を面白くしていた。
桜木の指導の正しさ、強さ、深さが
最終回でどんでん返しの素になっていました。

大人な話が入ってきた分、
生徒の問題解決は割ととんとん拍子
だった気がするけれど
藤井くんの変化、成長は
じっくりと描かれたのは見応えがあった。
最後の彼の行動としっかりした意思は
最初から考えると見事な成長だった。
役作りもあるのだろうけれど
彼を筆頭に生徒役たちの顔つきが
どんどん良くなっていくのは
前作同様で、彼らにとっても
この作品が大きな飛躍につながればいいな
と思いました。
かつて飛躍のきっかけを貰った
長澤まさみさんが
きっかけを手助けする側に立ったのは
感慨深いですね。

桜木から水野にリレーされ
また誰かにリレーされることでしょう。
東大を目指し、その攻略法を示し
それはそれでなるほどな〜だったのだけど
それにも増してどう生きるか、
を生徒たちは教わり
観ている視聴者にも
こんな世界の状況だから
響くのだろうと思います。

桜木先生の最後のセリフは名シーンですね。

前作の生徒役たちが訳ありながら
勢揃いしたのも、
このドラマの価値を物語ると思いました。
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