トランティニャン

メディア王~華麗なる一族~のトランティニャンのレビュー・感想・評価

メディア王~華麗なる一族~(2018年製作のドラマ)
4.0
『キング・オブ・メディア』(が正式タイトル?)ようやく観終えた。
ここまで徹底して誰にも感情移入できない胸糞悪さがありながら面白いドラマも珍しい。会社も家庭も強烈な家父長制によって築かれた帝国にクラックが入るも、最終的にローガンは正しさより強さで以って圧する。経営者としてどう凄いのかは描かれていないけど、背景や周囲の畏怖で描いているというか。

唯一同情したのは次男のケンダル。野心があっても何がしたいのか分からず(それが周囲にダダ漏れで)創業者であり父であるローガンを超えられないように「つくられて」しまった哀しみを、偶然必然の数々の悲運とともに表現する。
家族経営の企業じゃなくても、絶対的創業者の下で働く役員や幹部が見たらひどく感じ入るか、ケンダルをただただ愚かと思うかのどちらかなんだろうな……

毒々しい言葉や事実、感情の揺れを表現するクロースアップはアダムマッケイ的で、最初は違和感あったけどこの悲喜劇にとてもマッチしてる。